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サムスンがオンラインで採用試験 今後広がるか? 出題内容は? 

東亜日報より 更新日: 公開日:
5月31日、京畿道華城市サムソン電子の事業所で、職務適性検査(GSAT)試験監督官がリアルタイムで受験生たちを遠隔で監督していた。サムスンは今年、初めてGSATをオンラインで実施した。試験方式が変わったことによる受験生の混乱、不正行為の可能性などが心配されたが、2日間にわたったGSATは大きな問題なく円滑に行われた。

「サムスン考試(注:難易度の高い試験を考試と呼ぶ)」とも呼ばれるサムスン職務適性検査(GSAT)が5月30、31日の2日間行われた。今年のGSATは新型コロナウイルス感染症の拡散を防ぐため初めてオンラインで試験が行われ、就職活動生らの関心を集めた。

初の「オンラインGSAT」について、受験生たちは「長距離の移動や新型コロナ感染のリスクなど不要な疲労感がなく満足」「慣れない方式で問題の難易度が高く感じた」など多様な反応を見せた。しかしながら財界では一度に国内の数万人が参加する大規模な試験を成功裏にオンラインに転換したという評価が大半だ。

財界関係者は「大規模なオフラインの試験を行って来た国内の他の企業の間でもオンラインでの採用が広まるだろう。新型コロナ感染のリスクを考慮してまだ採用計画や方法を悩んでいる企業にとって参考になる事例だ」と話した。

今回のオンラインGSATは「各階に5つの部屋がある2階建ての建物がある。8人がこの部屋を使う場合の数は何通りか?」(数理論理)や、「ツツジ、バラなど4種類の花を与えられた条件に合わせて並べなさい」(推理論理)など出題された問題の類型は以前と同様だ。「縁起が良さそうだ」「まるで違う」などの類義語や反義語を探す問題も出題された。しかしながら、サムスンは長時間集中力を維持するのが難しいオンライン試験の特性に鑑みて、今年から試験の領域と問題数を半分ほど減らした。4つの領域から計110問を出題していた以前と異なり、数理論理(20問30分)、推理論理(30問30分)の二つの領域を残し、計50問を出題した。試験時間も1時間に短縮された。

受験生の多くは自宅や寄宿舎などの個人のパソコンでGSATを受けた。サムスンは不正行為を防ぐため、監督官が受験生の様子をリアルタイムでモニタリングした。受験生の机の下、窓の状態まで事前に確認し、試験中にモニターが隠れるような特異な行動を禁じるなど不正行為の可能性を徹底して防いだ。

今回のサムスンのGSATは、新型コロナの影響で進む「非対面時代」に国内の企業で初めて実施した大規模なオンライン採用試験だ。サムスン側は、以前の筆記試験よりもオンライン試験の方が実施費用を節約することができ、受験生にとっても利便性が高いなど長所が多いと判断している。サムスンは全系列社に非対面採用方式を拡大するという。

就活生たちの反応は分かれる。5月31日にGSATを受けたAさん(25)は「オフラインの試験を受けるには早朝から準備して長距離移動をしなければならないが、家で楽に試験を受けられた」と話す。逆にモニターを見ながら問題を解かなければならないなど、慣れない環境のせいで体感難易度が以前よりも高く感じたという意見もある。就活生のBさん(26)は「不正行為を防ぐためにモニターを触れないようにしているので、問題を解くのに窮屈な感じがした」と話した。

サムスン関係者は「GSAT受験生の多くがデジタル環境に慣れているMZ世代(ミレニアル世代+1995年以降に生まれたZ世代)なので、オンライン試験に対する拒否反応はない方。今回のオンラインGSAT導入結果をもとに補うべき部分は補って、他の採用分野にもこのよな方式を多様な形で活用することを検討する予定」と話した。

(2020年6月1日付東亜日報、ソ・ドンイル記者)

(翻訳・成川彩)