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人類の歴史は、パンデミックとの闘いの歴史

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スペインかぜの流行を伝える1918~19年の東京朝日新聞。「流行性感冒」や「悪性感冒」などと呼ばれた

人類の歴史は、感染症との闘いの歴史でもある。人が免疫を持たない病原体はときに爆発的に感染を広げ、社会を大きく揺るがしてきた。

パンデミックで有名なのが、欧州で14世紀に大流行した「黒死病」(ペスト)。欧州の人口の3分の1を失い、封建社会の崩壊や宗教改革の一因になったとされる。20世紀初めの第1次世界大戦中にはインフルエンザの「スペインかぜ」が流行。米軍から各国の軍隊などに広がった。第2波、第3波と発生し、世界の死者は数千万人とも言われる。パンデミックにはなっていないが、致死率の高さから恐れられているのが、1976年にコンゴ民主共和国(旧ザイール)やスーダンで見つかったエボラ出血熱。アフリカで繰り返し流行し、2014年に再燃したときは1万人以上が亡くなった。

コロナウイルスも以前から脅威になってきた。02年から流行した重症急性呼吸器症候群(SARS〈サーズ〉)もその一つ。やはり中国で初期の感染が起こり、アジアなどで約800人が死亡。12年に見つかった中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)では、中東諸国を中心に800人以上が犠牲となった。

日本の歴史にも感染症の爪痕が残る。奈良時代には天然痘が大流行し、政権を担った藤原四兄弟が全員死亡。戦国武将の伊達政宗が片目を失った原因も、幼少期に患った天然痘だと言われる。

コレラもたびたび流行した。日本医史学会の機関紙「日本医史学雑誌」には、江戸時代の1858年からの流行は、開国後に長崎に入港した米国船の感染した乗組員がきっかけで、江戸だけで26万人が死亡したと書かれている。新型コロナウイルスは4月28日時点で、世界全体の感染者数が300万人、死者数が20万人をそれぞれ超えており、100年に1度のパンデミックの様相となっている。(本間沙織、半田尚子)