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農家のみなさんとの出会いが新しい道を照らしてくれた

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ふくしま逢瀬ワイナリーを外国人留学生たちが訪問した(2018年3月)

 

私は今、気候変動問題に関する施策の企画に携わっています。複雑な要素が絡み合う地球規模の難問ですが、自分が出会い、縁を結んだ一人ひとりのために行動することが、この問題の解決につながると信じています。

そう思うようになった原点が、東日本大震災の復興支援の一環で、郡山の農家の方々とワイナリーを立ち上げた経験です。持続可能な新しい産業づくりを目指すこのプロジェクトは、初めての試みだけに課題だらけでした。

2015年初夏、ワイナリー建設に向け現地で奔走した

最初に苦労したのは、地元の方の信頼を得ること。ワイナリー事業を地場で末永く続けていくためには、現地農家のみなさんにパートナーとなっていただき、主体的に関わってもらうことが必要です。見知らぬ人間が突然やってきて、「ワイナリーを立ち上げたい」などと言っても、信用してもらえません。私たちは郡山に移り住み、何度も訪問を重ね、ねばり強く自分たちの思いを伝えました。やがて少しずつ協力いただける方が現れました。その後も課題は山積みでしたが、一つひとつ乗り越えていくなかで、地元の方との絆も深まっていったように思います。

苦労の末に迎えた商品発表会での、ある方の言葉が忘れられません。「子どもと孫が誕生した日、そして自分の果物でできたお酒を味わえた日。今日は人生で3度目に心が震えた日だ」。私も感動で身震いしました。

郡山の仲間とビニールハウスで記念撮影(2015年8月)

その後、このような事業を持続可能な形にする力をつけたいと思い必死に勉強をし、後ろ髪をひかれる思いでしたが、アメリカへMBA留学をする決意をしました。郡山のみなさんは、まるで故郷の代表を世界へ送り出すかのように喜んでくれました。海外の学友にワイナリーを紹介するために郡山を訪れたときは、我が子が帰省したかのように、温かく迎え入れてくれました。みんなでこたつを囲み、お酒を飲みながら語り合った時間は、一生の宝ものです。

どんな難題も関わった人と深い信頼関係を築き、一人ひとりの声に耳を傾け、ニーズに応えていく。そんな地道な取り組みの積み重ねによって必ず道は開かれる。郡山で学んだこの思いを胸に、これからの仕事にも取り組んでいきます。

明治時代、猪苗代湖から水を引くために全国から人や物、技を集めて完成した安積疏水(あさかそすい)。この事業によって礎が築かれた郡山には、昔から多様性を受け入れる土壌がある。そんな地に復興のシンボルとして2015年にオープンした「ふくしま逢瀬ワイナリー」では、福島の果物からお酒を造り販売している(新型コロナウイルスの影響で臨時休業しています。最新の情報はHP https://ousewinery.jp/へ)。