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米沖合に足止めのクルーズ船、沿岸警備隊が新型コロナ検査キット空輸

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3月5日、多数の乗客に感染の疑いがあるとしてサンフランシスコで入港を拒否され、カリフォルニア州の沖合に停泊しているクルーズ船にヘリコプターで検査キットが運ばれた。写真は3月5日、ビデオ映像から取得(2020年 米沿岸警備隊提供)

[ロサンゼルス 5日 ロイター] - 米国では5日、新型コロナウイルスの新たな感染者53人が報告され、感染が急拡大しているワシントン州キング郡で全米12人目の死者が確認された。コロラド、テネシー、テキサスの各州とカリフォルニア州サンフラシスコ市では初の感染者が確認された。

多数の乗客に感染の疑いがあるとしてサンフランシスコで入港を拒否され、カリフォルニア州の沖合に停泊しているクルーズ船にはヘリコプターで検査キットが運ばれた。乗客の少なくとも35人はインフルエンザのような症状が見られており、他の2件の感染例との関連も指摘されている。

【動画】足止めのクルーズ船に、米沿岸警備隊が検査キット

ワシントン州キング郡の当局は、新たな感染者20人を確認したと発表。感染者の累計は51人、死者は11人となった。同郡以外では、カリフォルニア州で1人の死者が確認されている。

同郡当局は声明で、郡内の感染拡大において「重大な時期」にあると指摘し、市民に対し感染拡大防止に取り組むよう呼び掛けた。

ワシントン州の感染例の多くはシアトル近郊にある介護施設と関係があるとされており、同施設では6人の死者が出ている。

一方、ニューヨーク州のクオモ知事は記者会見で、州内の感染者が22人となり、前日の2倍に増加したと報告し、ウイルスの検査体制が強化されたため感染確認が増加したと説明した。今後さらに増えるとの見方を示した。

同州の新たな感染者のうち8人は、すでに感染が確認されていたウエストチェスター郡在住、マンハッタン勤務の弁護士と関わりがある。他の2人はニューヨーク市、残りの1人は同市近郊のナッソー郡で確認された。

テキサス州は州内の3人が感染したと発表、同州初の感染例となった。テネシー、コロラド両州は、州内初の感染者1人をそれぞれ報告。米国で感染が確認された州はこれで16となった。

米疾病対策センター(CDC)は先に、新型コロナウイルスの感染者数が疑い例も含め149人に達したと発表していたが、5日に全米各地で報告があった53人の新規感染者は含まれていないとみられる。

ニューヨーク市のデブラシオ市長は市内の感染者2人について、40代の男性と80代の女性で、基礎疾患があり、重症だと説明した。また、いずれも新型ウイルスの影響を受けている国への渡航歴はなく、これまでに感染が確認された人とも接触していないとし、地域で人から人への感染が起きている可能性があると指摘。「懸念は間違いなく高まっている」と述べた。

カリフォルニア州では6人が新たに感染。サンフランシスコ市の2人が含まれており、地元当局によると、この2人も市中感染の可能性が高いという。

米保健当局は、新型ウイルスの検査キット約100万個を公共の検査施設に週内に配布できる見込みだと表明。40万人程度の検査が可能になるという。

CDCもまた、週内に7万5000人分の検査キットを提供できる見通し。高官が明らかにした。

新型ウイルス対策の陣頭指揮を執るペンス副大統領は、米国民に対し、健康な場合はマスクの購入を控えるよう呼び掛けた。医療関係者や病人が優先的にマスクを確保できるようにするためだという。

「普通の健康な米国人のコロナウイルス感染リスクは依然として低い」と述べ、高齢者や基礎疾患を持つ人々など、感染確率が高い層を中心に「感染例は今後増えるだろう」と予想した。 

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