年末年始をカリフォルニアにいる息子達の所で過ごすことにしました。
長男夫婦が「山小屋に集まってみんなで年を越そう」と提案してくれて、家族みんなが大賛成しました。
30日に長男の運転する車で山に向かいました。
山小屋は大きめなキャビンでした。ベッドルームが4つもあって、余裕で家族全員が泊まれました。
長男は「初日の出をヨセミテ国立公園で迎えよう」とまた素敵な提案をしてくれました。
31日は年越し蕎麦を食べて、みんなそれぞれ就寝しました。
興奮して眠れなかった私は早めに起きて、みんながお腹空くといけないので、サンドイッチを作って、出発を待ちました。
5時50分の出発に、みんなは眠い目を擦りながら、起きてきました。
ヨセミテに着いた時、日の出を見るためのベストスポットに20人くらいの人が集まっていました。
初日の出を待ちました。
すごく寒いけど、胸は高まり、息を潜めて待ちました。
7時頃に日が昇りました。
雪山が太陽の光を反射して、金色に輝きました。
神秘的で、息が呑むほど綺麗な光景でした。
家族で一緒に初日の出を迎えたのは初めて、本当に感動しました。
それよりもっと感動したのは長男の心遣いでした。
実は長男はそこで日の出を見るのは3回目なのです。
是非みんなにもその美しい景色を見て欲しくて、今回のプランを立てたのだそうです。
初日の出の光を浴びる息子達の顔を見て、改めて、息子達の成長を実感しました。感謝の気持ちで涙が出そうになりました。
■毎日、驚きや喜びを
息子たちの子育てでは、毎日子ども達に思いがけない驚きや喜びを用意するように努めました。
毎日、違う過ごし方をすると、子供達の脳がより発達するし、生きていることに喜びを感じ、想定外の事が起きても対応できるようになるのです。
「感動を作ろう」「良い思い出を残そう」と子ども達に絶えず言ってきました。「普通の生活の中で、家族で楽しい事をお互いに考えましょうね。そうすると、毎日が特別になるよ」とよく話していました。
その影響か、息子達は周りの人を喜ばせようと今でも努力するのです。
長男はそれを今回、見事に実現してくれました。
子供が成人して、私の役割は彼らの世話をすることではなくなりました。
「陰で応援して、何かがあった時に助け舟を出すくらいかな」と同世代の友だちは子離れの方法を話します。
私はもう一歩進みたいと思っているのです。
私の目標は「ママは楽しい存在」、「ママは面白い事をやってくれる」、「ママと一緒にいると盛り上がる」と息子達に思わせることです。
子供達に楽しみを提供して、一緒に過ごす時間を忘れられないほど良い思い出にしたいのです。
今回私が思いついたイベントは「クッキーコンテスト」でした。
息子達はみんな料理ができます。そこで、クッキーを作るコンテストを提案したのです。みんなそれぞれ手作りのクッキーを焼いて、誰のクッキーが一番美味しいのか友達と親戚に決めてもらうという企画です。
■やると決めたら、手は抜かない
息子達は意外にも乗り気になってくれました。
当日はお嫁さんのお母さんをはじめ、6人の審査員が興味津々で長男の家に集まってくれました。
大会の司会は長男のお嫁さん。
大会の為に、ポエムを作り、朗読しました。
メダルのクッキーまで焼いてくれました。
大会は最初から盛り上がって、笑い声が大きすぎて、近所から苦情が来たくらいでした。
クッキーも本格的でした。
私は二日間かけて、オレンジチョコレートジンジャークッキーを作りました。
三男は3回ほど練習して、チョコレート唐辛子クッキーを作ってきてくれました。
次男は3日間かけてバナナを乾燥させて、バナナ抹茶ホワイトチョコレートクッキーを出品。
長男はオートミールブランデープルーンクッキーを作りました。
私はびっくりしました!
息子達がそれほど凝ったクッキーを作ってくると思いませんでした。
審査員の皆さんは、クッキーが登場するたびに歓声をあげるほど、感心してくれました。
結果として、優勝したのは次男、銀メダルは長男、私は銅メダル、三男は努力賞でした。
次男のクッキーは本当に美味しかったです。抹茶とバナナの組み合わせが斬新で素晴らしい、焼き具合も完璧でした!
長男のブランデープルーンは風味豊かで大人の味、オートミールに歯応えがあって、味わい深いクッキーでした。お見事!
三男のクッキーも意外の組み合わせにも関わらず、とっても美味しかったです。でもちょっと辛すぎて、審査員の中で辛いものが苦手の人がいて、減点となりました。
私のクッキーも美味しかったそうですが、創造力に欠ける所で高得点にはなりませんでした。確かに彼らのクッキーの方が美味しかったのです。
息子達に負けたのは悔しいけど、彼らの真剣に取り組む姿に脱帽しました。
ママの機嫌を取るために参加してくれたかと思っていましたが、くだらないイベントなのに、彼らは本気で真面目に競い合ってくれました。その精神が素敵でした。
「ママがよく言った、Anything worth doing is worth doing well. やると決めたら、手は抜きませんです」と息子達はいいます。
そう言われて、嬉しかったです。
息子達は私が教えたことをしっかりと覚えてくれて、実行してくれたのです。
想像力の豊かさ、挑戦する精神、いつもベストを尽くす努力、目標に向かって楽しく取り組む気持ち。
私が息子達に持って欲しい力は、今回のクッキーコンテストで見る事ができました。子育てには無駄がありません。親が真剣に子ども達と向き合った分、必ず報われます。
「努力を惜しまない」は成功する第一条件です。
「簡単に達成することはまずないと考えてね」と息子達の気持ちが緩む時に必ずいいます。「このくらいで十分」と思ってはいけない、自己ベストを常に目指す精神が成功する鍵です。
単なるクッキーコンテストでも、息子達は自分のキャパシティーに挑戦しました。失敗するかもしれない難しいクッキーを作ってきたのです。むしろ私のクッキーはありがちのものでした。息子達は確実に私を超えました。
それが何よりも嬉しかったのです。
忘れていた挑戦する心に息子達のおかげで、火がともりました。
今度は負けないぞ!
三男に「次回はもっと考えて、練習して、私たちの実力をお兄ちゃん達に見せつけよう!」と話しました。
みんなで大笑いして、それぞれのクッキーをいっぱい食べました。
「おいしいね」「良くできたね」とお互いに褒めあって、一生忘れられない思い出がまだ一つできました。