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子どもの自己肯定感があまりに低い日本へ、アグネスのアドバイスは

アグネスの子育てレシピ
アグネスさんはユニセフ・アジア親善大使を務め、世界各地の子供たちを訪ねている。訪問先のフィリピンで

子どもの「自己肯定力」は子育てをする上で一番重要な柱になります。

自己肯定力とは、自分の存在を認め、自分の良いところも悪いところも受け止める力です。

自己肯定力があれば、自分のことを価値ある人間だと信じることができます。自分は愛されるだけの価値があると思うことができます。

人はそれぞれ違う能力を持っていて、自分は自分、人は人、人と比べる必要がないとわかります。

自分を心から認めることができる人は、他人も認めることができます。

自分のことを愛すべき人間だと信じられれば、他人も愛することができます。

自分は誰の上でもない、誰の下でもない、人間はみんな平等であることも理解できます。

これらはすべて、自己肯定力をしっかり持っている人の考え方です。

子育ての中で、私はこの自己肯定力を一番大切にしました。

自己肯定力は子供たちが幸せな人生を送るための基礎です。

自己肯定力の低い子どもには二つのパターンがあります。

一つは自信をなくして、自分の価値が見出せない子どもです。
人と付き合うときも、何かをやるときも、すぐに「私みたいな人は、できない」と思ってしまいます。本当はいっぱい可能性を秘めているのに、それを外へ出すことができないのです。

もう一つはコンプレックスから、相手に対して強く出てしまう子どもです。

そういう子は、自分よりできる子がいると面白くないのです。できる子に対して嫉妬心が生まれます。極端な場合には、「いつもあの人が褒められておかしい。面白くない」となり、悪い噂を流すなど、相手の足を引っ張る行動に出ることもあります。

それは自分のコンプレックスをカバーする行動です。これはとても残念なことです。子どもにはコンプレックスにとらわれるより、自分の得意分野を伸ばすことに時間をかけてほしいのに。他人のことに気をとらわれて、本当の自己実現ができなくなります。

一方で自己肯定力の高い子は、自分より良くできた子どもがいるときに、「すごい!あの人上手ですね。よかったね」とその子の成功を一緒になって喜びます。一緒に喜ぶことができるのは、この人はここが上手い、でも、私もいいところがあると自信があるからです。

また自分ができないことが恥ずかしくないので、「ね、教えてくれますか。私も上手になりたい」と頼むことができるのです。

謙虚に人に頼んだり、質問したりすることができるのです。

このような子どもは学ぶ機会が多くなり、いろんな人から教えてもらえます。

では、自分より弱い子がい居たら、自己肯定力の違いによってり子どもの反応はどう違うのでしょうか。

自己肯定力の高い子供は、自分より弱い子がいたら、自然に助けます。助けてあげることに躊躇することはありません。

ところが自己肯定力の低い子は「あっ、私とレベルが違うね、一緒に遊べないね」と差別心が生まれます。

極端な場合は、弱い相手をいじめ始めます。

相手が困っているのを見て、そこから優越感を得るのです。しかし、この優越感は継続しないのです。もう一度、優越感を味わうためには、もう一度、いじめないといけないのです。
でも、相手もいじめに慣れてきます。昨日一発殴って、相手が泣いて面白かったのに、今日は一発殴っても泣かない! 面白くないから、二発殴って泣かす。このように、いじめはエスカレートしていきます。

さらに人間は自分の行動を正当化したい心理があります。親や先生から、いじめはいけないと聞いているので、いじめている側も心配です。だから責任を相手に転嫁するのです。「あいつは汚い」「あいつは顔がキモい」。だからいじめられて当然だと、理由はいじめられた側にあるのだと考えます。その歪んだ理屈を自分にも仲間にも言い聞かせるすのです。

こうなると、何が悪いのか、何が正しいのかの区別ができなります。

このような子どもは大人になっても、自分にどのくらい服従してくれる人がいるのかで自分の価値を図るようになります。大変残念な人間になるのです。

自己肯定力が低いと、人生がコンプレックスや嫉妬、奢り、傲慢に囚われてしまいます。自分の価値を正しく評価できないので、永遠に満たされない人生になってしまいます。

生まれたばかりの長男と

■子どもを誰かと比べない

では、どうすれば自己肯定力の高い子に育てられるのでしょう。実は、それは決して難しいことではないのです。

一番大切のは自分の子どもを他の子どもと比べないことです。

「お兄ちゃんはできたのに、なぜお前はできないの」「あの人は足が早いのに、なぜお前は遅いの」と子どもを否定するような比べ方をすると、子どもの自己肯定力は下がってしまいます。

競争の激しい現代社会には、一定の基準があり、その基準を満たさないと失敗者だと見られてしまいます。学校に行けば、常に比べられます。子どもをその過剰な競争から守るのが親の役割です。

「君は君のままでいいです」「自分のペースで成長していけばいいのです」と絶えずに話してあげましょう。

親の愛情は条件付きではいけません。親が愛情に条件をつけると、子どもはこのままの自分では愛されない、条件が満たした時だけ愛される価値があると思ってしまいます。子供は親に認めてもらうために必死です。

だから、親はまず「君を丸ごと愛している。間違ったことしたときには直してほしいけど、愛情は変わらない」と子どもがわかるように伝えることがとても大事です。

子どもはみんな良い子。悪いことはするが、悪い子と最初から決めつけてはいけません。

この基本的な愛情が子どもの自己肯定力を高めます。

「私は愛される存在、親にとっての大切な存在なのだ」と子どもが心底から感じられれば、自暴自棄な行動には出ないのです。

親が子ども比べなくても、社会に出ると子どもは比べられます。

そのときに子どもに、「違いはあっていい。あなたが他の子と違うのは良いことです。みんなと同じになる必要ないです」とはっきり教えてあげてください。

人を羨ましく思うのは無駄、人を見下ろすのはいけない事であること。みんなそれぞれが君と同じように大切な存在であることを、親のまるごとの愛情で表現し、言い聞かせてください。

ある調査で、日本の小中学生の生徒と外国の生徒に「あなたは自分のことが好きですか?」と聞いたところ、外国の子供達は80%が「自分が好きだ」と答えるのに、日本の子ども達は60%以上が「自分が好きでない」「あまり好きでない」と答えたと聞きました。

我が子が自分のことを好きなるようにする。それこそ親が頑張らなければいけないところです。

自分はこの世にひとりしかいない、すごく素敵な存在であることを絶えずに教えてあげてください。