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【メモ】捕鯨の基本が分かる、4つのQ

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19世紀に捕鯨基地として栄えた、米マサチューセッツ州ニューベッドフォード。街中には、かつての捕鯨をモチーフにした像が立つ

Q1 クジラの種類

ひげのような器官を使い獲物をこしとって食べる「ヒゲクジラ」と、歯の生えた「ハクジラ」に分かれる。日本が商業捕鯨で捕獲しているミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラはヒゲクジラ。ハクジラは小説「白鯨」に出てくるマッコウクジラなどで、イルカもハクジラだ。

80種以上いるとされるクジラのうち、国際捕鯨取締条約が定めているのは大型のものを中心に17種。世界最大の動物であるシロナガスクジラなど絶滅の危機にあるとされる種もあるが、日本政府は、それ以外の小型鯨類については商業捕鯨モラトリアムの管轄外にあるとの立場で、独自に捕獲枠などを設定してきた。17種についても、捕鯨の対象にしているミンククジラなどは資源が豊富と確認されているとしている。

Q2 「国際捕鯨委員会」(IWC)という組織

国際捕鯨取締条約により、1948年に設置された。目的は、クジラの保護と捕鯨産業の秩序ある発展。クジラについての研究も行う。事務局は英ケンブリッジ。日本は51年に加盟し、2019年6月に脱退した。現在の加盟国数は88。通告すれば加盟できるため、捕鯨をしない国も多数参加する。総会は年に1度開いてきたが、12年の総会の後は2年に1度になった。

Q3 クジラの「捕獲枠」

IWC脱退後も、日本はIWCで合意した方法でクジラの捕獲枠を算出している。改訂管理方式(RMP)と呼ばれ、100年間捕獲を続けても資源量に悪影響を与えない水準とされる。同じ種のクジラでも生息域などに基づく群れ(系群)が異なると生殖しないため、捕獲枠は系群ごとに資源量の1%未満に抑えられている。水産庁によると、これをマグロやサバに適用した場合、捕獲枠はゼロになるほど厳しい算出方法だという。

Q4 ノルウェーの捕鯨

歴史は古く、9世紀には始まったとされる。19世紀半ばにはロープのついた銛を大砲で撃ち込む「ノルウェー式捕鯨」が発明され、世界各国に広まった。ノルウェー政府や業界団体によると、2018年は1278頭の捕獲枠に対し454頭を捕獲した。18年の鯨肉の年間生産量は585トンで、835トンだった15年から3割ほど減った。