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自治体SDGsが、地域の課題を解決し、住みやすい街をつくる ①

World Now 更新日: 公開日:

国は、自治体によるSDGs達成に向けた取り組みを公募し、優れた提案をする都市を「SDGs未来都市」に選定しています。その中でも先導的な取り組みを「自治体SDGsモデル事業」として選定。資金的に援助をしています。

これは、2017年に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略2017改訂版」で位置付けられた施策によるものです。地方創生を推進するに当たり、持続可能な開発目標を主流化し、SDGsの観点を取り入れて、経済、社会、環境を統合的に向上させる取り組みが必要とされています。

選定都市の成功事例は国内外に発信し、普及啓発することで、持続可能なまちづくりを広げていきます。

取り組み
【経済】観光目的税導入の検討・実施/創業支援、企業進出支援で地域の稼ぐ力の強化
【環境】JRニセコ駅前への地域熱供給/環境に配慮した個別・集合住宅の建設を促進
【社会】集合住宅建設時の固定資産税免除/デマンドバスなどローカルスマート交通の構築

自然の恵みである「パウダースノー」。誰もが安全に、そして将来もこの恵みを楽しめるようSDGsの理念により環境保全に取り組む

住民・事業者とともに価値を継承

ニセコ町は、2001年に全国で初めて町の憲法といわれる自治基本条例を制定し、「情報公開」と「住民参加」による自治のまちづくりに取り組んできた。景観・環境保全と開発規制の仕組みによって乱開発を規制し、町の環境保全に共感した投資を呼び込むことにより、豊かな自然環境を未来につなぐ取り組みについても、住民や開発事業者と一緒になって議論してきた成果だ。このプロセスを継続し、地域の価値・魅力をより向上させるため、市街地にSDGsの理念を踏まえた「NISEKO生活」を体現するモデル地区を形成する。

景観に配慮した住みやすい住宅群、政策的混住による地域コミュニティーの形成と活発な自治活動、省エネ・再エネ促進による資源循環などの取り組みにより、安心して住み続けられるまちづくりを目指す。

170回を超え開催している「まちづくり町民講座」。テーマによっては外国人住民、民間事業者も議論に加わる

取り組み
【経済】林業の川上〜川下のシームレス産業化/地域内経済循環を促すポイントシステム
【環境】森林バイオマス利用拡大/脱炭素コミュニティーの構築/省エネ家電レンタルシステム
【社会】健康省エネ住宅の推進/医療介護福祉連携、子育て支援/除雪システム高効率化

豊かな森林を守り、生かす取り組みにSDGsを取り入れている

SDGsパートナーシップによる良質な暮らし創造の実践

下川町が目指すのは、地域ステークホルダーが中心となり策定した「2030年における下川町のありたい姿~人と自然を未来へつなぐ『しもかわチャレンジ』~(下川版SDGs)」の実現だ。

経済面・社会面・環境面の価値創造・統合的解決をコンセプトに、情報通信技術や先端技術を活用した伐採・造林から加工流通までのシームレスな木材の生産流通加工システムの構築、少子高齢化の進展に対応する都市機能と住環境の最適化、森林バイオマス地域熱供給の面的拡大による脱炭素社会の構築などについて、SDGsパートナーシップセンターを構築・活用する。同時に、地域内外の多様な人々との「共創」により「誰ひとり取り残されず、しなやかに強く、幸せに暮らせる持続可能なまち」を目指す。

「森林未来都市」の先導モデル、一の橋バイオビレッジ



本記事は朝日新聞社が各界のリーダーたちの意見、自治体や企業がゴールに向けて取り組んでいること、若い人のチャレンジなど2018年の動きをまとめた冊子「SDGsACTION!2」からの転載です。「SDGsACTION!2」はPDFファイルでご覧いただけます。
冊子「SDGsACTION!2」のダウンロードはこちら
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