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SDGsが掲げる目標を達成するうえで欠かせない中小企業の取り組みをリード

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SDGsとともに、豊かさを実感できる社会の実現を

SDGsは、国連に加盟する世界の国々や地域が目指すべき共通の持続可能な開発目標であり、17の具体的な目標を掲げ、すべての人が平和と豊かさを享受できるように行動しようという強い決意の呼びかけであります。日本政府では、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に明確に位置づけ、SDGs推進本部を設置し、八つの実施指針を定めて具体的な取り組みを進めています。

商工会議所は、商工業の総合的な改善発達を図り、社会一般の福祉の増進に資する活動を行う地域総合経済団体です。現在、全国515の地域に設置され、その活動を通して、国民経済の健全な発展と国際経済の進展に寄与することを使命としています。特に、豊かさを実感できる社会の実現に向け、中小・小規模企業対策、まちづくり・社会資本整備、少子・高齢化、税・社会保障制度、環境・エネルギーならびに労働政策など、多岐にわたる重要な政策課題について、足元の状況はもとより中長期的な観点からも調査・研究を行い、政府をはじめ関係諸機関に提言するとともに、自らも活動しています。商工会議所が提示している意見や実践している活動の多くは、政府のSDGs実施指針に示された具体的施策と重なります。

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「feel NIPPON」では、全国各地の商工会議所が地域の事業者等と連携して取り組む 「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」を紹介している

http://feelnippon.jcci.or.jp/

商工会議所の活動はSDGsの理念を体現

人口減少などに起因して地域の疲弊が進み、現在、各地域において「地方創生の実現」が共通の大きな課題となっています。地方創生実現のためには、それぞれの地域が自らの資源や強みを最大限に活用してしごとをつくり、地域内に人を呼びこみ、資金が循環する仕組みを構築することが重要です。農林水産資源の活用や観光振興は、その切り札であり、各地域において、商工会議所が中心となった具体的な取り組みが進められています。地域の伝統産業である木材加工と新たな金属加工の技術を融合させてオフィス空間システムを開発し、伐採期を迎えた地元産木材の活用促進に取り組んでいる例や、地域で保全している自然景観を活用したサイクリングイベントによるインバウンド観光に取り組んでいる例など、枚挙にいとまがありません。こうした取り組みは、いずれも地域内外における人とモノの流れを活発化させ、地域に雇用を生み出し、地方創生の実現に資するものであり、日本が持続可能で強靱な経済社会を形づくるうえでの推進力になっています。

顧みますと、140年前に日本で初めてとなる商工会議所を創設した渋沢栄一翁は「企業は、利益を追求することは当たり前だが、同時に公益にも心を用いなければならない」として「私益と公益の両立」を唱えました。この考え方を精神的支柱とする商工会議所の活動は、SDGsの理念を体現したものであると言っても過言ではありません。商工会議所の活動とともに、あるいはそれ以上に、SDGsが掲げる目標を達成するうえで欠かせないのが、企業の社業やCSR活動における取り組みであります。大企業はもとより、中小企業においてもこれを意識した経営が求められます。商工会議所は全国に125万会員を擁しており、会員の大宗を占める中小企業への普及・啓発に努め、地域の、そして日本の持続的な発展に向け引き続き諸活動に取り組んでまいる所存です。

 
 
 

三村明夫 AKIO MIMURA
東京大学経済学部卒業後、1963年富士製鉄(現新日鉄住金)入社。2003年新日本製鉄代表取締役社長、08年代表取締役会長就任。12年新日鉄住金発足に伴い取締役相談役就任、13年相談役名誉会長、18年名誉会長。日本鉄鋼連盟会長、日本経済団体連合会副会長、経済財政諮問会議議員、中央教育審議会会長なども歴任。13年11月より東京商工会議所、日本商工会議所会頭就任。

 
 

本記事は朝日新聞社が各界のリーダーたちの意見、自治体や企業がゴールに向けて取り組んでいること、若い人のチャレンジなど2018年の動きをまとめた冊子「SDGsACTION!2」からの転載です。「SDGsACTION!2」はPDFファイルでご覧いただけます。
冊子「SDGsACTION!2」のダウンロードはこちら
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