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「テロの脅威はどこにでもある現実」

World Now
2015年2月、南仏ニースのカーニバル会場を警備する警察官。前の月にパリで風刺新聞社を襲撃するテロがあった=ロイター

――フランスは非常事態が続いています。

私は非常事態の継続に全面的に賛成です。想像してみてください。非常事態をやめた翌日にまたテロがあったらどうしますか。世論は間違いなく政府を責めるでしょう。テロの脅威はどこにでもあります。問題は、再びテロが起きるかどうかではありません。テロが起きるのは間違いない。いつ、どこで起きるかが問題です。私たちは市民の安全を確保しなければなりません。市長にももっと権限を与えるべきだと思います。

ここベジエ市でも、フランスの他の都市と同じようにテロの脅威があります。公立学校に入学する子どもの3分の2がイスラム教徒です(注:平等を国是に掲げるフランスでは、人種や宗教にもとづいた統計をとることは違法だが、メナールは児童・生徒の氏名を独自に調べて公表した)。その中のごく一部かもしれませんが、過激化する人物が現れるかもしれません。

メナール市長

――非常事態の下で、テロとは無関係の人たちに対する人権侵害も起きています。

もちろん、誰にでも間違いはあります。人権団体は「警察国家は恐ろしい」と言います。でも、本当に恐ろしいのは警察国家ではありません。恐ろしいのはイスラム過激派です。

この国はいま戦争状態にあります。フランス国民は長らく戦争に直面していなかったから、忘れているのです。戦争には新しいルールが必要だということを。国家が人びとを脅かしているのではありません。国家がイスラム過激派に脅かされているのです。国家には国民を守るという義務があるのです。

市民は治安の強化を求めています。公立学校に通う生徒の保護者は「もっと警察官を配置してほしい」と要望しています。でも、人員が足りない。だから私は、警察や軍隊のOBからなる警備隊をつくりたいと提案したのです。100人のボランティアが無償で協力すると言ってくれています。とても現実的な施策だと思うのですが、国からは「すでに警察がいるのに新たに警備隊を組織するのは違法の疑いがある」と言われ、計画は止まっています。

ベジエ市役所

安全に暮らしたいというのは、市民の第一の願いです。治安の確保は私の公約でした。私が2年前に市長に就任したとき、市採用の警察官は39人でした。私はそれを79人に増やしました。「警察官が多すぎる」と文句を言ってくる市民は一人もいません。

左翼政党の政治家は「不安をかきたてているだけだ」と言います。でも、昨年1月と11月にパリで起きたテロを考えれば、イスラム過激派の脅威は空想の産物ではありません。現実のものなのです。

――ベジエ市民にもイスラム教徒がいます。彼らはどんな思いをするでしょうか。

もちろん、イスラム教徒の中にも問題のない人はいます。でも、過激化している人もいるのです。私はすべての人と友達になろうとは思いません。すべての移民やイスラム教徒が犯罪者だと言うつもりはありませんが、移民の一部はフランス社会への統合に失敗しているのです。移民自体が良くないとは言いません。でも、多すぎる移民は良くありません。

――自由、平等、友愛、そして安全。あなたにとって何が一番重要ですか。

私は自由を何よりも大切なものと考えています。でも、安全と平和はもっと大切です。安全で平和な場所でないと、我々は自由を享受できないからです。