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アンジーから聞いて難民問題に関心 MIYAVIは音楽で難民の子とつながった

World Now 更新日: 公開日:
photo: Kishitsu Rei

ミュージシャンや俳優として世界で活躍するMIYAVIさん(34)は、昨年初めて、レバノンのシリア難民キャンプを訪れた。難民問題には関心が薄かったが、現地で難民として暮らす子どもたちとふれあい、自分のこととして考えるようになったという。

難民はテレビで見た程度で関心もなかったのですが、映画撮影で一緒になった俳優のアンジー(アンジェリーナ・ジョリー)から、難民問題についてじかに聞いたことをきっかけに、興味を持ちました。


難民の状況はパンフレットや報道でも分かるけど、その場の温度や空気までは伝わってこない。自分の目で見たいと思って、去年の5月、アコースティックギターを片手に2日間、レバノンの難民キャンプに行きました。


キャンプには水浸しの所やゴミがあふれる所、泥だらけの所もあった。冬は吹雪になるような地域なのに、トイレは外にありました。子どもが夜中に起きて行けるようなトイレじゃない。そういう環境でも、子どもも大人も冗談を言い合って、明るいんです。僕たちとまったく同じだし、希望を失わないバイタリティーやエネルギーは、自分たち以上だと思いました。


ギターを弾いたら、子どもたちがたくさん集まってきて、目を輝かせた。自分の娘と同年代の6歳ぐらいの子どもたちを見ていて、難民と自分がつながったと強く感じました。


僕たちだって、突然、自分の人生が変わることはありえます。日本でも、東日本大震災の時に、自宅に帰り着けなくなりましたよね。帰る家もなくて、食べるものもなかったという人も多かった。

難民を、日本がどう支援すればいいか、何が正解なのかは、わかりません。でも、まずは、この難民問題を現実として共有して、それぞれの国や人が自分のできることを精いっぱいやることが大事だと思います。


レバノンの難民キャンプを離れる時、子どもたちに「10年後、20年後に会えればいいね」って言いました。キャンプでなく、どこかのステージでセッションが出来たらうれしいな。(聞き手・杉崎慎弥)

MIYAVI 1981年、大阪府生まれ。約30カ国でライブを開き、13年にはアルバム「MIYAVI」を世界でリリースした。昨年、SMAPのシングル曲「Top Of The World」の作曲を担当。アンジェリーナ・ジョリー監督の米映画「不屈の男 アンブロークン」で渡辺睦裕軍曹役を演じた。