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「乗車を拒否する意図はない」JR東が強調 電動車いす利用者への対応問題

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2015年から無人駅になったJR来宮駅=静岡県熱海市
2015年から無人駅になったJR来宮駅=静岡県熱海市

これに対し、横浜支社広報室は文書で回答し、「乗車を拒否する意図はなかった」と強調した。具体的なやり取りは以下の通り。

――小田原駅員が伊是名さんに対し、いったん「案内は15分後にするので、そのころにいらしてください」と言ったのち、「来宮駅は階段しかないのでご案内できない。熱海まででいいですか」という趣旨の発言をしましたか。

小田原駅で、お客さまから来宮駅で降りたいという要望がありましたが、来宮駅はバリアフリー設備がなく階段のみであり、かつ管理駅である熱海駅からのお手伝いも即座に手配ができない状況だったので、「来宮駅では降りることができません。熱海駅でしたら、その後の交通手段が見つかるかもしれません。」という旨をお伝えしました。

――これに対し、伊是名さんが駅員を集めて車いすを持ち上げ、階段を下りて欲しい旨伝えたところ、「熱海駅はそのような対応をしていない」と駅員が答えましたか。

当社では、介助が必要なお客さまが無人駅等をご利用になる際、駅係員を手配して介助させていただいていますので、乗車を拒否することはありません。今回対応した小田原駅係員には、決して「拒否」するを意図はありませんでしたが、明確にご案内することができなかったことについてはお詫び申し上げたいと考えております。

――伊是名さんがバリアフリー法に言及し対応を求めたが、駅員が「利用者3000人以下の駅は対象でない」と拒否したのは事実ですか。

当社はこれまで、国の基本方針を踏まえて、バリアフリー整備を進めています。

国の基本方針では段差解消の整備対象は、1日当たりのご利用人数3,000人以上の駅に加え、バリアフリー基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上の駅が対象となっています。

繰り返しになりますが、今回の小田原駅でも、「拒否」をする意図はありませんでした。

JR熱海駅=2020年4月、静岡県熱海市
JR熱海駅=2020年4月、静岡県熱海市

――伊是名さんが障害者差別解消法に言及し、「合理的配慮」を根拠に対応を求めたが、駅員が「現状としてできない」と答えたのは事実ですか。

繰り返しになりますが、当社では、介助が必要なお客さまが無人駅等をご利用になる際、駅係員を手配して介助させていただいていますので、乗車を拒否することはありません。

今回対応した小田原駅係員には、決して「拒否」する意図はありませんでしたが、明確にご案内することができなかったことについてはお詫び申し上げたいと考えております。

――結局、行きも帰りも駅員が車いすを来宮駅で運んだが、これは何人の駅員が対応したのですか。

行き4名、帰り4名です。

――小田原駅でなぜ、当初「ご案内できない」と答えたのでしょうか。最終的に職員らが車いすを運んだのであれば、当初からそうするべきだったとは思いませんか。

小田原駅で、熱海駅に要員手配を依頼した時点では、熱海駅では対応できる要員が確保できない状態でしたが、熱海駅では、お客さまが到着する直前まで何とかできないかと調整を続け、ギリギリで人員の手配に漕ぎつけることができました。

結果、小田原駅でのご案内と異なる結果になってしまったことは、申し訳ないと考えております。今後もお客さまにスムーズにご利用いただけるよう、ご案内の方法も含めて社員指導を徹底していきます。

――バリアフリー法についてのお考えについてうかがいます。3000人未満の駅については確かに対象ではないと条文にありますが、かといって、このように突っぱねることはサービス会社、また公共交通機関として適切だと思いますか。

繰り返しになりますが、当社では、介助が必要なお客さまが無人駅等をご利用になる際、駅係員を手配して介助させていただいていますので、乗車を拒否するということはありません。今回対応した小田原駅社員も、決して「拒否」する意図はありませんでしたが、明確にご案内することができず申し訳なかったと考えております。

――障害者差別解消法についてうかがいます。伊是名さんの今回の要求は同法の合理的配慮の考えに照らして、不当だったと思いますか。

法の解釈と伊是名さまのご要望との関係については、当社から申し上げることではないと考えております。

――伊是名さんによると、来宮駅のホームページには簡単なホームの図はありましたが、分かりづらく、車いす利用者への注意喚起や問い合わせなども書かれていなかったといいます。彼女はまさにこのサイトを閲覧して車いすでも下車可能と判断したわけですが、このサイトの作りはこの状態で適切だと思いますか。

ホームページの各駅の情報ページ及び構内図ページにおいて、バリアフリー設備(エレベーターの有無、車いす対応トイレの有無等)や階段等の駅設備の状況を記載しています。

また、連絡先など各駅の情報についてはらくらくおでかけネットに掲載しています。分かりにくいとのご意見を頂戴したことについては、貴重なご意見として承り、今後改善できないか検討してまいりたいと思います。

――今回の一連の対応について、JR東日本として適切だったと思いますか。もし課題や問題があると考えているとしたら、どの部分で、今後どのような改善を考えていらっしゃいますか。

当社としては、車いすご利用のお客さまにかかわらず、お客さまのご要望を伺い、いくつかの対応できる案を提示させていただけたうえで、最もご利用いただきやすい方法を案内させていただいており、可能な範囲での対応を行ったと認識しています。

その上で、お客さまへのご説明が十分でなかった点については、お詫び申し上げるとともに、より良いご案内ができないか、検討してまいりたいと考えております。

また、車いすをお使いのお客さまへの案内体制について、社内で作成しているマニュアル等に基づき、安全で安心してご利用いただくために関係個所と駅係員の手配などの調整を行った上で介助を実施するため、お時間がかかることをご理解いただきたいと思います。

なお、要員手配の関係等で駅係員の手配がどうしてもできない場合は、ご不便をおかけすることをお詫びし、事情を丁寧に説明するように指導しております。

※記事冒頭で配信時に地名の誤りがあり訂正しました。「問題の経緯」で「神奈川県の熱海」とあったのは「静岡県の熱海」の誤りでした。