“The United States is backsliding into autocracy under Trump, scholars warn"
「学者の警告:トランプの下で、アメリカは独裁政治に後退している」
9月18日付 ワシントン・ポスト紙
Varieties of Democracyという民主主義評価プロジェクト には何千人もの専門家が参加し、各国の民主主義を定量的に測ろうとしている。毎年、何百もの指標を使い、世界中の政府の健全性を調査している。
このプロジェクトがbracing(注意を喚起する)情報を発した。トランプ政権が始まってから3年以上が経った今、アメリカが独裁国家に変貌を遂げつつあるという。アメリカはトランプ政権下で「民主主義の性質」をprecipitously(急速に)失いつつあると主張する。
この問題の非常に悩ましい点は、こうした状態に至る民主主義国の5分の1しか、この流れにあらがえないことだ。残りの5分の4はfull-blown(完全な)独裁国家になってしまうという。近年の例で言えば、トルコやハンガリーだ。
アメリカは代表的な民主主義国家であると強く信じていた私にとって、これは本当に衝撃的だった。このプロジェクトが使用している指標の抜粋を見ると、「立法機関が行政機関の力をどれほど抑制できるか」「表現の自由」「政治談話のcivility(礼節)」「自由かつオープンな選挙」そして「行政機関のcorruption(腐敗)」がある。振り返ってみれば、アメリカは最近、その全てに関してbackslide(後退し)ている。この後退を何となくは感じていたが、明確な数字で示されると、注意を引くものである。
記事中のリストを見ると、確かにアメリカの異常さを感じる。トランプは憲法が規定する、「大統領の3選を禁じる」という制限を撤廃するアイデアを何度もfloat(持ち出し)た。大統領就任後は、彼が所有するビジネスの不動産(ゴルフ場など)は度重なる大統領訪問により、多くの利益を上げた。そして、彼のinner circle(周りにいる親しい人)のうち数人はこの3年で逮捕や訴追された。こういった問題は民主主義の根幹を揺るがす。
この記事中のある政治学者は悲観的に次のように予想している。「もしトランプが11月の選挙に勝つようなことがあれば、アメリカの民主主義は約2年で破綻する」。今回の選挙の重大さを強調する、とても恐ろしい発言である。