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授業もゲームもSNSも スクリーンを見続ける子どもの目を守るために必要なこと

ニューヨークタイムズ 世界の話題
More time in front of screens, whether for school or for fun and connection, can result in eye strain, fatigue and headaches, but experts offer simple ways for parents to protect their kidsユ eyes during a time when screens are a bigger part of everyday life. (Eva Cremers/The New York Times)-- NO SALES; FOR EDITORIAL USE ONLY WITH NYT STORY CHILDREN-SCREENS-VISION BY KELLY HOOVER GREENWAY FOR AUG. 17, 2020. ALL OTHER USE PROHIBITED. --
Eva Cremers/©2020 The New York Times

新型コロナウイルスのため、この秋、多くの学校区が全面的あるいはハイブリッド型でオンライン授業を再開するが、確かなことが一つある。全国で何十万人もの生徒たちにとってスクリーン(画面)を通じた授業が現実になるということ。デジタルディバイド(情報格差)によるアクセス問題に加えて、家庭では、デバイスの使用が増えることで目の問題など、子どもたちの健康への影響にも取り組む必要がある。

ピュー・リサーチ・センターが3月に実施した調査によると、過半数の親――12歳以下の子を持つ親3640人の71%――は、子どもたちがスクリーンを見て過ごす時間があまりにも長いことに、少なくとも何らかの懸念を抱いていると認めた。これは、自宅にとどまるとする指令が多くの家庭でスクリーンタイムの制限に影響を及ぼす以前のことである。

学校のことであれ、オンラインゲームであれ、SNSであれ、スクリーンに向かう時間が長くなると、眼精疲労や倦怠(けんたい)感、頭痛を覚える可能性があるが、専門家(複数)は、スクリーンを見つめる時間が日常生活で大きな部分を占める時に親が子どもの目を守る簡単な方法を以下のように提示している。

■デバイスから安全な距離を保つこと

「何かを読む時は、16インチ(約40センチ)離して読むのが一般的だ」。検眼医でGlobal Myopia Awareness Coalition(GMAC=グローバル近視意識連合)の広報担当ミリセント・ナイトは言う。「いまは、特にスマホの場合、10インチから12インチ(約25センチから30センチ)離して読んでいることがわかった」

ナイトによると、この距離では、リラックスしてまっすぐ前を向いて何かを見るのとは違って、目がスクリーンに集中する。しばらくすると、目の筋肉が疲れ、頭痛や視力障害を引き起こす可能性がある。

スクリーンを見ることと子どもの近視との関連性を明確に示す研究はないが、一般的に近視と表現される状態は増えている。アメリカ検眼協会(AOA)のデータによると、2018年には近視の子を持つ親は4人に1人いた。40年前と比べると、25%の増加だ。

近視を治療せずに放置すると、後年、近視性黄斑変性症や網膜剥離(はくり)、白内障、緑内障などの深刻な眼疾患を発症する可能性が高くなる。

「近視については、山ほど多くの情報がある」とジョンズホプキンス大学の小児眼科学教授デビッド・ガイトンは言う。近視の患者を40年間治療してきた小児眼科医だ。「しかし、私たちが過去50年間で学んだ重大なことは、目の離隔が近視につながるという事実である」とガイトンは続けた。

彼が言うには、その正確な理由はわかっていないが、角膜から網膜までの長さが伸びてしまう「眼軸伸長」は「人が網膜の奥で見ている画像」によって引き起こされるらしく、それはタブレットやスマホのように何かを目の方に引き寄せて見る時に起きる。

ロサンゼルスが拠点の小児眼科医ルーク・デイツは、デジタル機器を2フィート(約60センチ)離して目の高さに保つことを推奨しており、「あるいは目の高さより下に置いて、見上げることを避けるのが望ましい」とも言っている。スクリーンをもっと近づけてしまうと、画像を鮮明に保つために目を集中させる必要があり、それが緊張を招き、近視を悪化させる可能性があると彼は言うのだ。

ナイトは、子どもたちがテーブルにひじをつき、その手い頭をのせるよう勧めている。この姿勢から、ひじを上げてスクリーンをタッチする。それがデバイスから最も近い作業距離になる。

■定期的に休憩をとること

ナイトは、親や保護者に「20・20・20」の法則を守るよう助言している。つまり、「20分ごとに、20フィート(約6メートル)離れたところのものを、少なくとも20秒見上げる」。これが目を休ませ、目を自然な位置に戻すことになる。

デイツもまた、休憩の重要性を強調する。目の緊張や疲労を軽減する方法として、親たちに売り込みをかけているブルーライトの遮断用メガネといったものに頼るより、休むこと。彼は、親たちから遮断用のメガネについて聞かれると言う。「私は推奨しない。それらが安全だという明確な証拠がなく、裏付けに乏しい事例があるだけだから」

彼は、子どもに屋外で使うサングラスを買ってあげる方がましだと言っている。太陽からの紫外線に目を長時間さらすのを防ぐためである。

■視力問題の兆候に注意する

頭痛や過度なまばたき、目をこすること、そして子どもが疲労を感じたり不機嫌になったりするのは視力の問題を示唆する警告の可能性がある。デイツは、まぶしい光を避けるのがいいかもしれないと指摘する。スクリーンの明るさを室内用に調整し、デジタル機器を屋外で使わないことだと言う。ナイトもまた、ワークステーションは窓に直角にすえることを勧めている。

目の健康という点で、ドライアイ(目の乾き)はもう一つの懸念材料だ。ガイトンの説明によると、人は特にデジタル機器で何かを読む場合、「まばたきの頻度が1分間あたり5回から10回程度に減る」が、それがドライアイを引き起こす可能性がある。彼が言うには、子どもの目は大人と比べると乾きにくい傾向があるが、保護者は子どもがスクリーンを見ている時に定期的にまばたきをしているかどうか注意することが大事だ。これを忘れないことが、目の快適さに役立つ。そうデイツは指摘する。

■視力検査を避けない

視力検査は子どもの視力に関する潜在的な問題を特定するために不可欠であり、パンデミック(感染症の大流行)だからといって先延ばしにすべきではない。患者のためのガイドラインや安全上の手順については、眼科医に確認すること。初診の場合はオンラインによる診察が可能なケースもあるかもれない。(抄訳)

(Kelly Hoover Greenway)©2020 The New York Times

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