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お金の起源、物々交換ではなかった? 新説を生んだ「動かせないお金」

World Now
世界最大の貨幣とされるミクロネシア・ヤップ島の石のお金「フェイ」。大きさはそれぞれだが、最も大きい石貨で直径4m弱もあったという(DEA/V.GIANNELLA/ゲッティ/共同通信イメージズ)

糸で束ねられた貝貨幣。これで家1軒が買える価値があったという。写真は1974年ごろにミクロネシア・ヤップ島で撮影

物々交換は、通貨ができるずっと前の時代、人類の経済活動の出発点だったとされてきた。次第に多くの人が共通の価値を感じる貝や石などが、ほしい物との交換で使われ始める。物品貨幣だ。そして金貨や銀貨が誕生した。

日本最古の貨幣「富本銭」。直径は平均2.44cm、厚さは1.5ミリ前後だという

ところが最近、貨幣の起源は「記帳」だったとする説が注目を集めている。2013年に英国で出版された英経済学者フェリックス・マーティンの著書「21世紀の貨幣論」でも紹介された。例えば、ミクロネシア・ヤップ島で見つかった石のお金「フェイ」。直径が最大で4メートル弱の世界最大のお金で、運べないため取引は記録され、その内容がフェイの所有権の根拠になった。こうした仕組みが発展し、現在の貨幣制度につながったという。

世界最小の紙幣はロシアの10カペイカだという。国立印刷局お札と切手の博物館によると、1915年に切手の版面を流用してつくられたため、切手の形をしている。裏面に「補助貨幣と同じく流通する」という趣旨が印刷されている(同博物館提供)

一方、世界最古の鋳造貨幣は、紀元前7世紀に古代リディア王国(現在のトルコの一部)で造られたエレクトロン貨。金と銀の自然合金が使われた。

世界最古の鋳造貨幣(硬貨)と言われるエレクトロン貨。大英博物館によると、数種類あり、サイズはまちまちだが重さは種類ごとに決まっていた。その重さで価値を判断していたといい、大きい種類で約14gだったという(DEA/G.CIGOLINI/ゲッティ/共同通信イメージズ)

最古の紙幣は、10世紀の中国(北宋時代)でつくられた交子。世界で2番目につくられた紙幣は、1600年ごろに三重県伊勢山田地方の商人たちが釣り銭として発行した日本の山田羽書だとされている。