お金の起源、物々交換ではなかった? 新説を生んだ「動かせないお金」
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物々交換は、通貨ができるずっと前の時代、人類の経済活動の出発点だったとされてきた。次第に多くの人が共通の価値を感じる貝や石などが、ほしい物との交換で使われ始める。物品貨幣だ。そして金貨や銀貨が誕生した。
ところが最近、貨幣の起源は「記帳」だったとする説が注目を集めている。2013年に英国で出版された英経済学者フェリックス・マーティンの著書「21世紀の貨幣論」でも紹介された。例えば、ミクロネシア・ヤップ島で見つかった石のお金「フェイ」。直径が最大で4メートル弱の世界最大のお金で、運べないため取引は記録され、その内容がフェイの所有権の根拠になった。こうした仕組みが発展し、現在の貨幣制度につながったという。
一方、世界最古の鋳造貨幣は、紀元前7世紀に古代リディア王国(現在のトルコの一部)で造られたエレクトロン貨。金と銀の自然合金が使われた。
最古の紙幣は、10世紀の中国(北宋時代)でつくられた交子。世界で2番目につくられた紙幣は、1600年ごろに三重県伊勢山田地方の商人たちが釣り銭として発行した日本の山田羽書だとされている。