This nation is at the mercy of a criminal administration
5月3日付 ワシントン・ポスト紙
マラー特別検察官のロシア疑惑に関する捜査報告書が出ればトランプ政権の悪夢は終わると、多くの米国人が首を長くして報告書を待った。トランプ大統領によるobstruction of justice(司法妨害)などのmisconduct(不正行為)が明らかになり、brought to justice(法の裁きを受ける)と期待した。その報告書が4月に出たが、期待は裏切られた。バー司法長官はdeceptive(人をだますような)行動で、トランプを守ろうとまでしている。この記事を書いた記者は、共和党支持者だったが、現在は反トランプの立場だ。彼は、米国はヤクザにtaken over by(奪取された)街のようだと嘆く。街ならば、州や連邦政府に助けを求められるが、連邦政府自体がcriminal administration(犯罪政権)では、どうにもならない。だが、それがgrim reality(残酷な現実)だと記者は落胆する。
トランプに問題があることは明らかだ。マラーの調査が終わらない段階で、顧問弁護士だったマイケル・コーエンに連邦政府のcampaign finance laws(選挙資金法)に違反するような指示をしている。報告書には司法妨害に当たると見られる少なくとも六つのironclad(鉄壁の、決定的な)事案も書かれている。それでもバーは、トランプのexonerate(容疑を晴らす)ために嘘を重ね、トランプはabove the law(法の適用を受けない)とまで示唆する。
他方、トランプは自分のopponents(競争相手)には法を武器として使う。これでは米国の基本原則impartial administration of justice(公平な司法行政)の信頼が損なわれる。これほどprotect his own hide(自分の身を守る)ためにrule of law(法の支配)をflagrantly(目に余るほど)破壊した大統領はいないのに、状況を改善する手立てがないと記事は指摘。トランプやバーの弾劾を求めても、上院で多数の共和党が賛成しないだろうといったdismaying likelihood(悲観的な見通し)だけが残る。つまり、トランプは力を持ち続け、transgression(犯罪)を犯すようfeel emboldened(勇気付けられたと感じてしまう)。それでは国が犯罪政権にat the mercy of(翻弄される)と記者は嘆く。かなり気のめいる結論だが、残念ながら否定はできない。