“With Grief and Hope, Florida Students Take Gun Control Fight On the Road”
2018年2月20日付 ニューヨーク・タイムズ紙
フロリダ州パークランドの高校で生徒だった男が2月14日、突然ライフルを発砲。17人もの生徒や教師らが、わずか数分間で犠牲になった。悲劇的な銃乱射事件がまた一つ増える結果になった。こうした事件直後には毎回、銃規制を求める声が強まるが、全米ライフル協会(NRA)から多額の寄付を受ける政治家らは立場をunbudgeable(変えられず)、大きな対応はとられてこなかった。しかし、今回は違うかも知れない。記事に紹介されているように、パークランドの高校生が悲しみの中で行動を起こしたからだ。銃規制を求めるSNSへの投稿、マスコミとのインタビュー、デモの計画。メッセージを他地域にも届けるため、take on the road(目的をもって旅に出掛けている)。生徒らの情熱と訴えかける力は国民の注目を集めた。米国各地の生徒らもデモを実施。未成年の生徒らの抗議行動のflickers(わずかな現れ、兆し)は、何か新しいことをaugur(予言する)かのようだ。
パークランドのある生徒は自分たちの気持ちをこう説明する。「こんなに多くの罪のない人びとがpassed(亡くなった)ことを考えると、何かしなければというmoral obligation(道徳上の義務)を感じざるを得ない。大人や政治家、立法者たちは、私たちを守ってくれると思ったが、そうしなかった」。記事には、全米各地で高校生らが計画したデモが記されている。例えば、パークランドの事件から1カ月となる3月14日には、全国の生徒と教師たちが(各被害者に1分ずつの計)17分間、教室を離れた。こうしたwalkout(退席)は4月20日にも計画されている。その日は1999年にコロンバイン高校で銃乱射事件が起きてからちょうど19年目に当たる。米国では伝統的に、未成年者は政治や政策についてtake a back seat(目立たない位置、重要ではない立場にいる)とされてきた。しかし、学校での銃乱射事件があまりにも深刻化しているため、若者たちはもはや大人に任せていられない、自分たちで何とかしなければと思うようになったのだ。ある学生は「私たちの世代の責任」とまで言う。若者たちの活動が実を結び、米国社会が変わって銃規制が導入されることを心から期待したい。
(ニューヨーク・タイムズ紙の記事はこちら)