試合前にピッチ上で片ひざ、人種差別に抗議 サッカー女子英国チーム
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朝日新聞デジタル掲載
札幌ドームで21日に行われた東京オリンピック(五輪)のサッカー女子1次リーグE組の英国―チリ戦で、英国チームの選手たちが試合開始前にピッチ上で片ひざをつき、人種差別に抗議した。チリの選手、主審、副審も同調。東京・味の素スタジアムであったスウェーデン―米国戦でも両チームの選手たちが試合開始前に片ひざをついた。国際オリンピック委員会(IOC)はこれまで五輪憲章第50条に基づいて政治や宗教、人種的な意思表示を禁止してきたが、今大会からは競技会場でも試合前や選手紹介など一部に限って容認する方針にした。
英国チームのヒュートン主将は20日の記者会見で「ひざをつくことは、自国リーグや国際試合でもやってきた。差別や不平等にさらされている人たちへ支援の気持ちを示したい」と話していた。スウェーデンチームのアマンダ・イレステッド選手は試合後の記者会見で、事前に米国チームと話して一緒にひざをつくことに決めたと明かし、「人権を守るために、正しい行動だと思った」と話した。
IOCの指針では、選手は特定の人や国、組織を対象とせず、他の選手の妨げとならない範囲で自らの考えを示すことができる。表彰式や開閉会式、競技の最中や選手村での行動については引き続き処罰の対象になるという。