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スマートコンストラクションは 未来をどう変えるのか

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危機を機会に、変わりゆく建設の世界

——まず、スマートコンストラクションとは何か、簡単に教えてください。

ひと言で説明すると、すべての建設生産プロセスをデジタル化、3次元化でつなぎ、施工全体の最適化をはかり、「安全で生産性の高いスマートでクリーンな現場」を実現するソリューションの総称です。コマツはもともと世界でも有数の建設機械メーカーとして長くものづくりに取り組んできましたが、現在はICT機能によって操作を制御する建機などのハードウェアやその建機に関連するソフトウェアの開発はもちろん、建機を動かすプロセス以外の、建設現場のすべてのプロセスに対して最適化をはかるソリューションの幅をどんどん広げています。

——スマートコンストラクションの取り組みがスタートしたのは2015年の2月ですが、特に最近注目を集めるようになったのはなぜでしょう。

建設現場の仕事には多大な労力が必要で、現場の事務所で多くの関係者が集まって、図面を確認しながら進捗報告をしたり、施工計画の修正を行ったりするなど、どうしても「密」になりがちです。しかし建設というのは社会の基盤を支えるために不可欠ですので、簡単に止めるわけにはいきません。新型コロナウイルスの影響が拡大した4月以降、私たちのところには「現場作業者の数を減らしても作業が行えるように、工事の効率化ができないか」「現場事務所に人が集まることなく遠隔で進捗を確認できないか」といった問い合わせが増えています。

——「密」を避けなければならない状況で、建設現場も変わりつつあると。

スマートコンストラクションは今年3月末時点ですでに国内の累計導入現場数は1万以上となっており、コロナ禍の4月以降は、私たちの想定よりは速いペースで浸透しています。しかし本当なら私たちの技術が貢献できる現場は、きっともっとあるはずなんです。建設業界はこれまで長くICTとは縁遠い世界でしたので、新しいやり方にまだまだ心理的抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかしこの危機によって否応なく変わらざるを得ないのであれば、そしてその結果、建設現場の安全、生産性が高まり、最新技術を活用して誰もが効率よく働ける魅力的な「あるべき未来の現場」が実現するとしたら、この厳しい状況も決して向かい風ばかりではないと考えています。

DXで進化するスマートコンストラクション

——今年3月に発表された「DX(デジタルトランスフォーメーション)・スマートコンストラクション」とはどういうものですか。

いわばスマートコンストラクションのセカンドステップといえるものです。5年前にスタートしたとき、私たちは測量や施工計画、施工、検査といったそれぞれのプロセスのデジタル化から取り組んできました。たとえば測量にはドローンを用いる、設計図面を3Dデータ化する、ドローン測量した現況地形データを3Dデータ化する、3Dデータを基に施工計画を作成する、というように。しかしそのやり方では、お客さまの課題解決に十分ではないことが徐々にわかってきたんです。我々は、これらをプロセス個々のデジタル化、縦のデジタル化と呼んでいます。

——と、言いますと?

建設現場のオペレーションというのは多岐にわたりますし、そこで働く人たちの動きも複雑です。また現場を効率よく動かすためには資材や機械をタイミングよく手配する必要がありますし、これらが無駄なく力を発揮できるよう計画を常に見直していくことも重要です。デジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクションは、これまでのスマートコンストラクションでデジタル化してきた各プロセスをプラットフォーム上で“横”につないでゆき、現場のオペレーション全体の中で、お客さまの抱える課題にあわせたご提案をすることで、現場全体のプロセスを大きく変革していくソリューションです。また、そのためには現場で働く建機のICT化は必須です。コマツは、3Dデータをもとに機械を制御する機能を有したICT建機を導入していますが、お客さまの現場には、従来のICT機能を有していない建機がたくさんあります。たとえばせっかく3Dデータで精度の高い施工計画を作っても、コマツの最新のICT建機にしかその施工計画を伝える術がないのでは施工の効率化につながらない。そこで、どのような建機にも取り付け可能なICT機能の後付けキットを安価に導入開始し、現場のすべての建機のICT化普及も目指しています。“モノ”と“コト”どちらもレベルアップしていかないと、お客さまの現場のデジタルトランスフォーメーションは実現できないのです。

——たしかにそれが実現すれば建設の仕事は大きく変わっていきそうです。

3月にデジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクションの核となる四つのIoTデバイスと八つのアプリを発表しましたが、これがゴールではありません。まずこれらをお客さまの現場の課題解決のために実際にお客さまに使っていただきながら、「もっとこうしたい」という要望があれば、それを実現するためにバージョン2、バージョン3と改良を続けていくことが私たちの使命です。そして将来的には複数の現場をICTでつなぎ、効率よく機械を融通しあって全体最適化をはかるような、“奥”のデジタル化を実現したいと考えています。

社会を支える建設の仕事をサポートし続ける

——そのデジタルトランスフォーメーション・スマートコンストラクションを支える「ランドログ」というプラットフォームを、オープン戦略で競合他社含め誰でも参画できるようにしました。社内で反対はありませんでしたか。

私たちは、現場から上がってくる生のデータというのは、畑でとれたばかりの土のついた野菜のようなものだと考えています。それを洗って皮をむき、料理に使えるようカットして提供しているのがランドログです。コマツのスマートコンストラクションはそのカット野菜をつかって料理を提供するレストランという位置づけです。プラットフォームをオープンにしているので、カット野菜を使いたいさまざまなレストランが購入することができる。コマツはその中で料理のレシピを磨いて勝負しよう、ということなんです。生のデータを売ることもできるかもしれませんが、それでは利用が広がっていきません。お客さまの課題を解決したいという思いが私たちと同じであれば、たとえ競合であっても門を閉ざすことはないですね。

——理屈はわかりますが、それにしても英断ですね。

プラットフォームというのは「協調」の場でいいと思っています。「競争」はアプリケーションですればいい。私は当社の開発チームの技術力、これまでものづくりで培ってきた生産技術力を信頼していますし、誰よりも現場を知っているのは自分たちだという自負もある。単にモノを売っておしまいではなく、お客さまに寄り添って一緒に課題解決をしていくことが本来の「ものづくり」だと思いますので、私はこうしたやり方はむしろ非常にコマツらしいなと考えています。

——建設業界では現役世代の高齢化が進む一方、入職者が減少を続けているため近い将来大幅な人手不足が見込まれます。スマートコンストラクションはその状況を救うことになりそうですね。

もちろんそれは大きな目的のひとつですが、そうした危機感だけで進めているわけではありません。私たちがめざすのは、「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」というものです。建設業を若い人たちが働きたいと思える、かっこよくスマートな仕事にしたい。クリーンな現場を実現し、未来に豊かな環境を残したい。その想いは決してブレません。

——うかがっていると、コマツは建設という仕事を支えることが大好きな会社なんだという気がします。

土木というのは「土と木」で表現していますが、現代だけでなくずっと昔から都市計画において基盤となるインフラ整備は必ず土木工事から始まりますし、どんなに未来のスマートシティを建設する際にもそれは変わりません。そんな重要な仕事をサポートできることに私たちはやりがいと誇りを感じますし、これからもそれを確実に続けていきたいと考えています。