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朽ちゆくショッピングモールの生き返り 教会やプール、ホームレス施設も

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ロサンゼルスのショッピングモール「ビバリーセンター」の買い物客ら=ロイター

”Abandoned malls are sputtering back to life with megachurches, rooftop pools and homeless shelters”

11月22日付、ワシントン・ポスト紙

私のような郊外育ちのアメリカ人にとって、ショッピングモールは生活基盤の一つだった。というのも、ある地域が開発されると、漏れなくモールも建てられた。一つひとつのモールはsprawling(広々とした、無秩序に広がった)と言えるほど大規模だ。しかし増え過ぎた上、近年はオンラインショッピングの普及で、モールは厳しい状況に立たされている。この十年で、何十ものモールがshuttered(永久に閉鎖した)といい、現在ある1100のうちの4分の1が、2022年までに終業するとの予測もあるという。モールの一部に空きができる例も、これから数多く出てくるだろう。その結果、アメリカの都市と郊外に大量の空きスペースが出る。そこをどう使うかは、将来の都市計画にも大きく影響するだろう。記事は、こうしたモールの空きスペースを有効活用した複数の例を紹介している。

例えば、Megachurchである。週末の礼拝に2000人以上が参加するような大規模な教会で、アメリカでこの40年ほど流行っているスタイルだ。会衆があまりに多いので、それだけスペースも必要なのだ。モールの広い空きスペースはまさにピッタリと言える。

医療施設も出現している。医者に診てもらうために来た人が、ほかの買い物をする可能性もある。これはモール側にとっても大きなメリットになると思われる。またワシントンDCの郊外にあるモールには、60人が宿泊できる約1672平方メートル規模のホームレス支援のshelter(施設)があるという。

フィットネスセンターやジムも良い例だ。ジム使用者は通常、裕福な人が週数回訪れることが多いため、モールにとってジムなどの施設はcoveted tenants(切望される賃借人)だと記事は指摘。10年前と比べ、ショッピングモールに占めるスペースは3倍にも拡大したという。

ビデオゲームをするためのラウンジや、アーケードを経営している企業も関心を寄せる。というのは、広いスペースに加え、モールは彼らのターゲットである若者が集まる場所でもあるからだという。また空きスペースが多いと、賃貸料を交渉する余地が出てきて、それも魅力的に映る要因なのだろう。

そのほか、図書館やアパート、幼稚園やアマゾンのfulfillment center(オンラインショッピングで注文を受けた商品の発送センター)にするケースもある。こうしたことでアメリカのショッピングモールは、sputtering back to life(徐々に活気を取り戻しつつある)。これから空き家や廃校があふれると予想されている日本にとって、アメリカの不用になったショッピングモールの再活用に、何か良いヒントが隠れているかも知れない。(ロッシェル・カップ)