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上野動物園で会える、王室ゆかりの「特別な動物」 タイ大使が語る「私の東京」

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「ウタイ」(手前)はゾウ舎の中では体が小さい=向井宏樹撮影

上野公園はいいですね。博物館や美術館があって、春になればお花見を楽しめる。日本の良さや暮らしぶりが凝縮されていると思います。タイから知り合いが来ると、上野に連れていくことが多い。2カ月に1度ぐらい訪れています。

中でもお気に入りは上野動物園です。タイから贈られた1頭のゾウ、オスの「アティ」とメスの「ウタイ」に会えるからです。上野にはいまオスが1頭、メスが3頭おります。ウタイは2頭のメスのインドゾウと一緒にいますが、体が小さいので、ぱっと見ただけで見分けられます。

タイ人にとってゾウは特別な存在です。我々の生活に密接に関わってきた分、思い入れがあります。かつて王様がゾウに乗って戦に向かった時代もありました。切り倒した木材を運ぶなど、インフラ整備にも重要な役割を果たしてきました。

バンサーン大使の勲章。白いゾウがかたどられている=向井宏樹撮影

勲章のデザインにも用いられています。2012年に公務員として最高位の勲章をいただきましたが、そこには白いゾウがかたどられています。ゾウは非常に頭が良く、尊敬と同時に親しみ深い身近な存在でもあるのです。

象牙が特徴の「アティ」=向井宏樹撮影

タイ国民にとって大切なゾウですから、どの国に対しても贈るわけではありません。アティとウタイが上野にやってきたのは2002年。皇太子家の長女愛子さまのご誕生を記念して贈りました。

タイ王室と日本の皇室は親密な関係にあります。大切な友人である日本に友好を示すには、タイで一番すばらしい贈り物をする。それが私たちタイ国民が愛してやまないゾウなのです。

上野動物園のゾウ> オスのアティは21歳、メスのウタイは20歳。皇太子家の長女愛子さまの誕生記念と、日本のNGOの植林活動へのお礼としてタイから贈られた。ほか2頭のインドゾウがいる。

在日タイ大使館> 所在地は品川区上大崎。大使館横にはゴシックスタイルの大使公邸がある。1931年にヒゲタ醬油創業家の10代目浜口吉右衛門氏が土地を購入し、34年に洋館が完成した。43年にはタイ王国が購入し大使公邸に。何度か修復されながら、いまに受け継がれている。

(2018年2月16日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)