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米の新聞で定着「Op-Ed」、生みの親NYTがやめる

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朝日新聞デジタル掲載
ニューヨーク・タイムズの本社ビル

 ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、社外筆者からの寄稿などが掲載される紙面に用いてきた「Op-Ed(オプエド)」の表現を取りやめる。社説(Editorial)の対面(Opposite)にあることから、約半世紀にわたって使われてきたが、ニュースのデジタル化が進んだことで「対面」の概念がなくなったためだ。

 NYTによると、「Op-Ed」のページを初めて設けたのは1970年9月21日。社外からの寄稿を積極的に受け入れ、社会問題をめぐる議論を活性化させることが目的だった。似たような取り組みは米国の新聞で広まり、「Op-Ed」という言葉も定着をした。

 しかし、NYTオピニオン編集部のキャスリーン・キングズバリ編集長は26日に配信した記事で、この名称が「古い時代と、古い紙の新聞のデザインの遺物だ」と指摘。「目的は変わっていないが、名前を変える必要がある」として、今後は社外からの寄稿を「ゲスト・エッセー」と表現すると発表した。「Op-Ed」が「新聞の業界用語」であるとも述べ、読者に対してはより直接的で明確な言葉を使うべきだ、とも述べた。

 「Op-Ed」をめぐっては、「Op」が「オピニオン」の略称であると誤解され、分かりにくいという声もあった。キングズバリ氏によると、事前調査では「ゲスト・エッセー」という表現は分かりやすく、読者は「NYTと筆者の関係性も直感的に理解できた」という。(ニューヨーク=中井大助)