■国内外で高く評価される東海大学
東海大学は「THE大学インパクトランキング2020(日本版)」において17目標すべてにランクインしました。これは、各大学が国連の持続可能な開発目標(SDGs)に対して研究・アウトリーチ・スチュワードシップの三つの観点から評価し、大学の社会貢献度をランクづけしたもの。総合ランクにおいて国内の大学で14位、私立大学では3位に挙げられるなど、SDGsに熱心に取り組んでいる大学です。なかでも、海洋学部は特長的で、内閣府や文部科学省などが実施する「第13回海洋立国推進功労者表彰」の「海洋立国日本の推進に関する特別な功績分野 普及啓発・公益増進部門」を受賞するなど、高い評価を受けています。そうした取り組みについて、静岡キャンパス長・海洋学部教授 山田吉彦氏にお話を伺いました。
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【山田吉彦静岡キャンパス長インタビュー】
■学内での取り組みについて
東海大学海洋学部は、目の前に駿河湾が広がる清水キャンパスにあります。地球、そして海を学ぶには、まさに理想的な場所と言えます。地球のおよそ70%を占める海は、SDGsの視点で考えても重要な存在です。また、海洋資源、漁業、エネルギー、交易、海洋政策、安全保障など、その領域は複数の目標に横断的に関わります。本学部は日本で唯一、海を総合的に学べ、かつ専門分野が学際的につながるという特長を持っており、SDGsとは高い親和性があると言えるでしょう。その特長の一例として、学部で水中考古学を学び、大学院では水産(海洋生物学)に進んだ本学のある教員は、大学院の4年間で四つもの新種の魚類を発見するという結果を出しました。さらに、現在進んでいるのが清水港をSDGsのシンボルにする計画です。学問だけでなく、さまざまな人が交わり地域の振興、クリーンエネルギーの実現、働く場の提供など、陸上と海における複数の目標に関わるプロジェクトであり、これは、SDGsを軸にした今後の「まちづくり」のモデルケースになると期待しています。
■今後の課題について
本学は教育機関として、人材を育成することが使命です。これまでも海に関わる人材の育成には高い実績があり、本年度は大学教育としてでは初めて海洋教育の実践を評価され「海洋立国推進功労者表彰」を受賞しました。また、本学には、キャンパス間留学を軸にしたさまざまな交流制度もあり、専門性だけでなく人間性の育成にもつながっていると自負しています。とはいえ、若い世代には、SDGsへの意識はまだまだ浸透しているとは言えません。社会で始まっている、例えばレジ袋有料化など、自分たちの一つひとつの行動の成果がSDGsと密接に繫(つな)がっていることなど創造力を与えながら、理解を深められるように指導するなど、2030年のゴール以降の世界を担う人材育成も着々と進めています。
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