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ゆうこすから「つながり孤独」な若者たちへ SNSで本当の居場所を見つける方法

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――ゆうこすさんは、いまや「モテクリエーター」の肩書でSNSを駆使し、同世代の女の子向けのメイクの実演やファッションの発信をしています。アイドルを辞めて実家に引きこもっていた2015年に、大きな転機があったそうですね。

17歳から始めたアイドル活動を1年ほどで辞めて、福岡の実家でニート生活を送っていました。ネットでアイドル時代の出来事についてあることないこと書かれてバッシングされて、でも、その当時も、ツイッターのフォロワー数は3万人以上いました。で15年の冬に、東京に来てイベントを開いたんです。そしたら、結果は3人だけで。

――3万人以上のフォロワーがいて、実際にイベントに参加したのは3人、ですか……。正直、ショックだったのでは?

そうですね。びっくりしたはしたんですけど、まあ、でしょうね、というか、いま考えるとそうですよね。大きな夢もなく、何してるかわかんない子に応援しづらいというか、イベント会場には行きづらいよな、と。ファンの立場になったら、まあそうだよね、っていうのは思いますね。

もちろんショック、ではありました。でも、いい機会かな、と開き直っちゃって、つらいなーとは思いつつも、じゃあ今やってることは間違いというか、ファンに伝わってないというのが、もう数字でわかったので、じゃあ全然違うことをやらないといけないんだろうな、っていう転機になりました。

――3万人以上とSNSでつながっていても、真の意味ではつながってなかったと気づいたということですか?

そうですね、フォローしているというだけの状況で、応援とか支持とはまた違ったのかなと思います。アイドルをやっていたときにSNSで炎上したこともあって、面白半分とか、アンチとか、とりあえずフォローっていうところが多かったと思います。なんかおもろそうだ、この後どうやって炎上するんだろう、みたいなやじ馬的精神な人が多かったのかなと思います。本当は好かれてなかったし、そもそも、好かれるための動きをしてなかったですね、私自身。

――そこから、具体的に何を変えていったんでしょう?

今までは、本当にやりたいことだとか、大きな夢というか、そういうものも、そもそも自分の中になかったんです。「タレント活動」って、そのワード聞いたら、意味わかんなくないですか? 「タレント活動」って何? というか、いまだによくわかってなくて、何かに特化している人とか、何かに根差している人とか、だったらわかるんですけど、「タレント」だけって意味わかんないじゃないですか。顔がめちゃくちゃかわいいのか、何なのか、スタイルがめちゃくちゃいいのか、そういう何かに一番秀でているわけでもなく、もともとアイドルしてました、それでイベントを開催しても、元ファンも来づらいだろうな、みたいな感じだったんですよね。

――ゆうこすさんはその後、SNSを駆使してメイクやファッション情報を発信し、インフルエンサーとして活動の幅を広げていきましたね。

私自身、SNSがすごく好きでした。テレビとか雑誌とか出られたらいいですけど、どうやったら出られるかわからない状況で、芸能事務所に入ってたわけでもなく、一人でSNSで頑張っていこう、SNSしかないなと思っていました。

自分なりにいろいろSNSを見ていると、圧倒的に顔がかわいい人とか、そういう人もフォロワー数増えてますけど、でもそういう人よりも、共感されている人とか、誰かの代弁者的な存在だとか、そういう身近な人の方が、コメント数がすごく多いなと思いました。フォロー数とかも熱量の差みたいなものを感じて。顔がどうこうとかじゃなくて、いかに共感されるかというか、いかにコミュニケーションが取れてるか、みたいなところ。

その頃、「好きなことで生きていく」っていう(ユーチューバーの)ヒカキンさんのCMとか、「インスタグラマー」っていう言葉がはやっていました。ちょうどそういう時代で、いろいろ考えました。「私はじゃあ、何を発信したら共感されるんだろう? 何を発信したら、ゆうこすに話しかけたい、コミュニケーションを取りたいって思ってもらえるんだろうか」って。自分が本当に好き、ワクワクするということを一番に考えました。

それが、「ぶりっ子」とか「モテ」ってところだったんですけど、その次に、じゃあそれを誰に届けようかなって考えた時に、男性に向けると、それは「消費」になって、今までやってきたアイドル活動とちょっと近しいところもあるなと思って。それで、「モテ」っていうのをコンテンツにして、同じ世代の女性に発信していって少しずつ共感を生んで、モテたいけどモテたいって言えないような、女性の中でもかなり少ないニッチな層だと思うんですけど、そこにまず向けようと思って、発信を始めました。

「モテ」とか「ぶりっ子」っていうのをテーマにしてコンテンツにして情報を発信、メイク動画とか始めたのが2016年1月。前年の年末に3人しか来なかったイベントが、SNSを始めて約5カ月で150枚くらいのイベントチケットが即完(売)したんです。あ、やっぱり何をしたいか明確になればなるほど、イベントとか、応援する理由ができるというか、来やすいよね、と思って。そして、そのイベントのお客さんの4割が女性だったんです。アイドル時代では考えられなかったので、とんでもなくすごいことだなと思って。で、その瞬間に会社の立ち上げも決めましたし、あ、今のやり方でいいんだっていうふうに背中を押されました。

■「つながり孤独」はなぜ起きる?

――ゆうこすさん自身は、孤独だなって感じたことはありますか?

そうですね……小さい頃は両親が共働きだったので、そういう意味ではすごく孤独だったんですよね、一人でいる時間とかが。現実世界でいま両親が共働きって多いと思うんですよね。友達と遊ぶ以外家にいるときって、やっぱり寂しいなって思うときもあるので、ネットは孤独を救うと思いますね。

わたし、2歳の頃からパソコンを触っていたんです。お絵かきをペイント機能でやってた、みたいなんだったんですけど。だからかもしれませんが、面と向かって人と接するっていうのと、インターネットでつながるっていうのは、垣根はもうあんまりないですね。友達はあんまりないし、むしろインターネットで多くの人と会話とか、当時チャットがすごいはやっていて、会話したり。(デビュー前の)当時はAmebaのグルっぽ機能っていうのがあって、私は(アイドルグループの)AKB48さんがすごい大好きだったんですけど、「福岡のAKB好き集まれ」のとこに参加して、すごい話が盛り上がって、だったらみんなで握手会行きましょうよってなって、みんなで行ってみたりとか。そういうSNSのおかげで、孤独をあんまり感じなかったですね。

――いつでも誰でもつながり合える、SNSはそういうツールのはずですが、SNSを使うほどに孤独を感じてしまう若者も少なくないようです。この状況をどう見ていますか?

SNSを使えば使うほど孤独になるっていうのは、時代背景もあるのかなと思います。いまはTwitterとかインスタとかYouTubeとか、個人発信がブームになっているじゃないですか。わたし25歳なんですけど、もうちょっと下の子の世代は、もういきなりSNSを渡されて、今は「個の時代」とか言われて。自分の発信次第では好きなことも仕事にできる時代だし、すごいラッキーなことなんですけど、でもそれしかないから、使えば使うほどきついというか、体育会系ですし。スマホ時代だから人と簡単につながれるでしょ、とか言われる。けれど、自分が好きなバンドのファンとつながろうとか、そういうコミュニティーを探そうと思ったら、プロフィルもちゃんと設定して、すごい頑張って発信しなくちゃいけない。そうやってようやくつながれた、みたいな感じです。

とはいえ、つながれたとしても、みんなに見られてる場所なんですよね。閉鎖的な空間じゃない。やっぱりずっと人目は気にしていると思います。SNSのアカウントも何個も作らないといけない。(1人当たりのアカウント数が)一番多いのは日本人だっていうじゃないですか。その気持ち、すごくわかるんですよね。教室の中の自分と、部活のときの自分と、あとは家族にだけ見せる自分とって、それって違って当たり前ですよね? むしろ、切り分けてないとつらくなってきますし、でもアカウントが1つで、それが見られてるっていう状況だから、けっこう自分のブランディングをみんなやっているというか。つらいよなと思うんですよね。

学校でスクールカーストを維持するためのSNS、このリツイートをすると、スクールカースト上位のサバサバ系女子に変なふうに見られないかなって思いながらリツイートとか、それはどんどん孤独になっていって、生きづらくなってくんだろうなって、かわいそうだなって思うんですね。

■「リア充」ではダメ?

――他人が現実世界で充実しているような投稿を見ると、自分がとてもダメな人間みたいな気がして孤独にどんどん陥っていっちゃう、自分と比べてしまう。そんな若者もいると聞きました。

自分のダメな部分とか、キラキラしてない部分をわざわざネットに上げたいとも思わないし、それがSNSじゃなくて写真のアルバムだったら、やっぱりいいところだけを残したい、みたいな感じです。とは分かりつつも、やっぱりSNSを見てたら「自分、ダメなんじゃないかな」「もしかしたらダメなのは自分だけかもしれない」とか、「みんな本当にキラキラで、自分だけがダメなのかもしれない」……そういう感覚になっちゃうと思うんです。

――ゆうこすさんは、そういう気持ちになったことありますか?

ないこともないですよ。見てて「いいなあ」というか「私だけ置いてけぼりなのかな」みたいな「ちょっと寂しいな」とかいう気持ちになることはありますけど。でも私は、そう思った時には、すでに仕事をしていたので、じゃあそれを参考にした投稿をしようみたいな、そういう思考になっちゃってるので。

――だったら、現実世界の身近な人たちの関係を充実させればいいんじゃないって、私のようなおじさんは思っちゃうんですけど、それはハードルが高いのでしょうか?

高いこともないですし、別にリアルを充実させるっていう方向もいいと思うんですけど、でもデジタルネイティブすぎて、リアルな友達とだけつながるアカウントとか作っちゃいそうです、私だったら。リアルな友達、親友用というか。そうやってアカウントを使い分けることで、充実するんだったらいいんじゃないかなというか。

■「つながっていても孤独」な若者たちへ

――SNSの時代に「つながっていても孤独」と悩んでいる若い世代に、なんてアドバイスしてあげたらいいんでしょう?

「つながっていても孤独」というか、本当につながってないから孤独なんだろうなと思います。SNSの世界で、柔らかな、ふわっとしたつながりほど、現実世界でもそうじゃないですか、そんなに別に話さない、そんなに好きじゃない人とばっかり一緒にいたら、それはつらいみたいな感じで。

本当の意味でつながっているというか、心の底から楽しいと思えるような場所、居場所っていうのを、今後大人がそういう機能を(SNSの世界に)用意してくれると思うので。LINEオープンチャットとか、グループ機能とかたくさん用意してくれると思うので、そういうところを利用したりとかして、自分が本当に心を許せる友達だったりとか、居場所っていうのを見つけたりとか、あとはリアルの世界での親友限定のアカウントを作るとか。

インスタグラムもあれですよね、ストーリーってあるじゃないですか、あれも今までは普通にアップするだけだったのに、親しい友達限定でアップできるようになったりとかしてると思うんですけど、やっぱりそういう使い分け、出し分けをすることで、孤独っていうのが少しずつ緩和されるんじゃないかなと思いますし、今後は自分のメンタルケアとか、なぞにブランディング力が高い子たちが増えそうですよね。

――何万人のフォロワーとか、数字にはあまり踊らされない方がいいかもしれませんね。

そうですね、あとはすごいフォロワーが多かったりとか、キラキラしてるアカウントとかを見て、いいなあとか、嫉妬とか、「うぅ私なんて」って思うかもなんですけど、これは、やってる側、そのフォロワーが多くてキラキラしたものを発信してる側からすると、確かに憧れられるっていうのはうれしいんですけど、実際に自分がやって思ったのが、それを維持し続けるってけっこう大変なんです。

数字にいつも24時間365日、カスタマーサポートセンターみたいな感じで、フォロワーから何言われるんだろうとか、やっぱりそれはそれで大変だなってことを自分でも思ったので、私はそれがわかったからこそ、そういう人たちを見て何にも思わないというか、むしろ尊敬というか、むしろつらいこともたくさんあるんだろうな、みたいな感覚になるんですよね。

アイドルも、やる前は、ただ踊って笑ってそれでお金もらえていいなあ、みたいな。「ユーチューバーも好きなことやって、仕事になってるのずるくない?」って考えの人もいるじゃないですか。私もちょっとその感覚はゼロではなかったんですけど、実際やって、いやもう尊敬しかありません、みたいな。本当にもう、つらいんですよね、ユーチューバー眠れないし、みたいな、っていう思いになったので。みんな平等なんですよね、なんだかんだ言って。

――発信するときに、人に合わせるのをやめるとか、SNSの中くらい自己中でいいんじゃないかと図太くなるっていうところも必要なのかもしれないですね。

そうですね、とはいえ年頃の10代とかだったら、図太くって言っても、クラスメートに見られたらとか考えちゃうのはわかるので、今だったら、私だったらアカウント使い分けるとか。コミュニティー機能だったりとか、親しい友達機能とか、頭のいいすごい優しい大人たちが、いろいろ時代に合わせて新機能を作ってくれるのでありがたいんですけど。新機能いっぱい使っていこうってことですよね。

SNSって、やっぱり使いようだなって本当に思っていて、SNSを使ってなかった世代からすると、急に出てきて急に人とつながれて、たまに出てくる問題とか見ると、やっぱり怖いものみたいな、見えちゃうと思うんですけど。だからそれで、学校の授業とかでは、SNSは怖いですとか、こうやって使うとダメです、変なオジサンが来ますみたいな、そういう授業しか受けなかったんですよ。だから、どこかしら怖いものなのかなとか、ビクビクしちゃったりとかあるんですよね、私たちの世代はギリ。

でもここからは、SNSをめちゃくちゃ使ってた世代が人に教える側になってくるじゃないですか。だから、もちろんストーカーとか、こういう発信をしたら家がバレますよ、特定されますよ、とかそういう最低限のルールも教えつつ、こういう使い方をしたら楽しいよとか、それがユーチューバーだったりとか、こうやって夢を成功させた人たちですとか、そういう明るいところもたくさん教えてもらえたら、孤独っていうものもそうですし、いろんなチャンスも見つかるし、ワクワクもするし、孤独も失うし、よくない? っていうふうに思うんですよね。

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すがもと・ゆうこ 1994年生まれ。メイクやファッション情報をSNSで発信し、同世代の女性から絶大な支持を集めるインフルエンサー、ユーチューバー。SNSの総フォロワー数は150万以上。ファンにつけてもらった肩書は「モテクリエーター」。愛称は「ゆうこす」。