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都心の公園で日本を知る米大使館員 「秘策」は愛犬にあり

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ジョナス・スチュワート報道官と愛犬フィン=2018年11月7日、東京都港区赤坂9丁目の檜町公園、中山由美撮影

お気に入りは、六本木の東京ミッドタウンの東に隣接する港区立檜町公園です。都会の真ん中にありながら、静かで穏やかな時間を過ごせる空間で、由緒ある日本庭園の雰囲気と現代的なデザインの融合が魅力です。大使館員宿舎から数分で来られる場所で、引っ越してきてすぐに見つけました。週末には家族とボーダーコリーの愛犬フィンを連れて訪れます。秋になれば木々の葉が色づき、都心で数少ない季節のうつろいを感じられる所です。

広場には滑り台やブランコなど遊具があって、親子連れが訪れたり、犬の散歩に来たりする人もいます。隣には、イルミネーションなど季節の様々なイベントをする芝生広場もあって、日本古来の伝統と西洋的な新しさが一度に楽しめるのが魅力です。

報道官ですから、日米の相互理解を深めることが仕事。多くの日本人と交流する必要があります。インターネットで情報を得て、ツイッターなどソーシャルメディアでも交流できますが、実際に顔を合わせて話をすることがとても大切です。

実はフィンが、そんなときの「秘策」なのです。まだ1歳ですが、大きくて人目をひきます。六本木で大型犬の散歩は珍しいので、多くの人が話しかけてくれるのです。「雄ですか? 雌ですか?」「お手はできる?」と会話が始まります。小さな子やその親、若い人も年配の方も、休み時間の会社員も。この公園でいろんな方に会えます。

日本各地を訪れましたが、兼六園(金沢市)は世界で一番好きな所。ここは少し似た雰囲気もあり、気軽にフィンを連れて来られるのがいいです。
好きな言葉は「学問に近道なし」。日本は奥深い歴史と文化があって、日々新しく学ぶことばかり。多くの人と交流し、もっと学んでいきたい。ハイキングが好きで、いつか中山道も踏破してみたいですね。

<檜町公園> 江戸時代の萩藩・毛利家の屋敷の庭園「清水亭」跡。檜が多かったことから「檜屋敷」とも呼ばれた。明治時代に国管理となり、1963年に都、65年に港区の管理となった。2004~07年に整備されて、現在は約1万6千平方メートルの敷地に、大きな池を囲む日本庭園と広場がある。

(2018年11月16日付朝日新聞東京版掲載。肩書、年齢は掲載当時のものです)