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Breakthrough 突破する力 気仙沼ニッティング社長 御手洗瑞子が漁師のセーターをブランドに 「ブータンから気仙沼へ」

会社や製品、気仙沼のことなどをインターネットで積極的に発信している photo : Semba Satoru


社会人3年目で「首相フェロー」に


入社3年目で、めったとない話が舞い込んだ。絶対君主制から民主化されて間もないブータン王国の政府が、国内の産業育成を支援する外国の若い人材を求めているという。会社の上司経由で話が来た時には「もちろん、手を挙げた」。退社し、ヒマラヤ山脈のふもとに降り立ったのは25歳の時だった。


肩書はブータン政府の「首相フェロー」。とはいえ、国の役所ものんびりしたこの国のこと。これといった仕事の指示はない。


「自分の時間をどう使えば、もっとも効果的に役に立てるか」と考え、観光産業の育成を申し出た。旅行会社にヒアリングをして課題を聞き出したり、航空会社とかけあってアクセスを便利にしたり。政府観光局の組織改革にも携わった。御手洗のいた1年で、ブータンの外国人観光客数は大幅に増えた。


首都ティンプーで観光業を営む青木薫は、キラと呼ばれる民族服の袖をまくり上げ、細い腕を見せて現場を駆け回っていた御手洗の姿を覚えている。「とにかくエネルギッシュ。頭が切れて、すべての行動に目的があるって感じ」


現地には、日本政府の援助関係者を中心とする日本人コミュニティーもあったが、御手洗はつき合いに一線を引いていた。「私はあくまでブータン政府の職員。なれ合いの関係になってしまうと、仕事上の問題が起きることがある」


そんな御手洗が、ブータンでの奮闘ぶりをつづったブログを面白がった人物がいた。コピーライターの糸井重里(69)だ。この出会いが、御手洗に新たな転機をもたらすことになる。

(次ページへ続く)

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