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アフリカ研究者 白戸圭一 01

「胃袋」をどう満たすか

モザンビーク北部のメイズ畑

サブサハラ・アフリカでは、人口のおよそ54%が農民だ。多くの国でメイズ(トウモロコシ)、米、小麦の3大穀物を主食として生産している。三つ合わせた生産量は毎年およそ1億2000万~1億3000万トン。だが、これだけでは足りず、毎年3000万~3500万トンをアフリカの外から輸入している。


人口の半分以上が農業に従事しながら主食穀物を輸入しているのは、サブサハラ・アフリカの農業生産性が著しく低いからだ。サブサハラ・アフリカの1ヘクタール当たりの穀物生産量(14年)は約1.6トン。これは世界平均の約3.9トンより著しく低く、インドの約3.0トン、タイ約3.1トンなどと比べても低い。農業先進国の米国、フランスはともに約7.6トン、日本は約6.0トン、中国は約5.9トンだ。サブサハラ・アフリカの村々で行われている農業は、灌漑設備もなく雨水頼みで、化学肥料や農薬もほとんど投入されていない。これでは生産性を上げることはできない。


現状の生産性の低い農業を継続していたのでは、急増する人口を養うことはできず、食糧輸入が増加し続け、やがて世界中の穀物を輸入して食べ尽くすことになりかねない。なにせ33年後には世界の5人に1人、83年後には世界の3人に1人はサブサハラ・アフリカの住民になるのだ。サブサハラ・アフリカの農業を改革し、少なくとも主食穀物の自給率を向上させることは、アフリカの人々のためだけでなく、世界全体にとって重要な課題なのである。


さて、今回は、サブサハラ・アフリカにおける人口爆発について書いてきた。しかし、周知の通り、人口問題はアフリカの人々だけの問題ではない。それどころか、アフリカとは反対に、これから人口減少に見舞われる日本に住む我々こそ、人口動態についてよく知っておかなければならない。

そこで次回は、人口爆発するサブサハラ・アフリカと、人口が減り続ける日本とが、これからどのような関係を構築していけばよいかについて考えてみたいと思う。


(次回は4月27日に掲載する予定です)



白戸圭一(しらと・けいいち)

三井物産戦略研究所中東アフリカ室主席研究員。毎日新聞社でヨハネスブルク、ワシントン両特派員などを歴任。2014年より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任准教授兼任。

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