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アフリカ研究者 白戸圭一 01

「過密」なアフリカ

人口が急増するコンゴ民主共和国の首都キンシャサ

車も激増し、各大都市の交通渋滞は、手の施しようがない水準に達している。04年9月にケニアの首都ナイロビに行った際、夕方のラッシュの時間帯でも街の中心から郊外のジョモ・ケニヤッタ国際空港まで車で30分だった。それから10年後の14年9月、同じ時間帯に空港へ向かったところ2時間半かかった。


いま、サハラ砂漠以南のアフリカ49カ国国(サブサハラ・アフリカ)では、かつて人類が経験したことのない勢いで人口が増えている。国連が15年7月末に公表した世界人口予測によると、15年7月1日現在、世界人口は推定約73億4947万で、このうちサブサハラ・アフリカは9億6229万だった。私が初めてアフリカを訪れてからの四半世紀で、ほぼ倍増した計算だ。


注目すべきは人口増加率の高さである。10~15年の世界の増加率が年平均1.18%だったのに対し、サブサハラ・アフリカは2.71%だった。世界の他の地域を見ると、アジア1.04%、欧州0.08%、ラテンアメリカ1.12%、北米0.78%に過ぎない。


戦前の日本がそうだったように、社会福祉制度が未発達な社会では、ヒトは子供を多く残し、自らの老後に備えようとする。さらに、たとえアフリカの最貧国でも、予防接種の普及や栄養状態の改善で死亡率は低下しており、平均寿命は延びている。こうして「多産多死」だったサブサハラ・アフリカの社会は、徐々に「多産少死」の社会に変質している。


この結果、国連は、今の高校生が50歳を迎える2050年の世界人口を97億2515万、このうちサブサハラ・アフリカを21億2323万と予測する。さらに2100年の世界人口を112億1332万、このうちサブサハラ・アフリカを39億3483万と予測する。ここに至って人類の、実に3人に1人以上がサブサハラ・アフリカの住人になるのだ。


2100年には、世界の人口上位10カ国の半分をサブサハラ・アフリカの国(ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、エチオピア、ニジェール)が占める見通しだ。かつて私が開放感を満喫したニジェールは年率4.0%で人口が増え続け、現在約2000万の人口が2100年には2億933万に達すると予測されている。

まさに史上空前の「人口爆発」と形容するほかない。


人口が爆発するサブサハラ・アフリカは、食糧、若者の雇用機会、エネルギー、土地や水資源などの環境への負荷など様々な課題に直面するだろう。とりわけ対策が急がれるのが、人口爆発によって増え続ける胃袋を満たすための農業の改革である。



(次ページへ続く)
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