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Inside Uber’s Aggressive, Unrestrained Workplace Culture (相手を選ばず好戦的なウーバーの内幕)

(2月22日付、ニューヨーク・タイムズ紙)

ロッシェル・カップ



2017年2月、ニューヨークのウーバー事務所前に抗議のため集まった人たち=Reuters

この記事は、急成長を遂げる配車サービス「ウーバー」の〝ブラック企業〟ぶりを明らかにしたものだ。サンフランシスコに駐在する記者が現役社員や元社員から集めた内部告発の中身は、egregious(言語道断な)もので、見出しで使われているunrestrained(節操がない)どころの話ではない。


たとえばこんな具合だ。「上司が女性社員の胸をgroped(さわった)」「会議中、意見が対立した部下に、homophobic slur(同性愛者を中傷する言葉)を叫んだ」「underperforming(成績の低い)部下を『バットで頭をかち割るぞ』と脅した」など。


職場の雰囲気については、こんな意見で一致する。「社員がpitted against one another(互いに対抗するようにさせられた)」「top performers(成績が非常に良い人)はinfraction(ルール違反)をしてもa blind eye is turned(見て見ぬふりをされる)」。ライバル企業や進出先の法令に対し、pugnacious(好戦的な)姿勢で臨む社風は知られていたが、むべなるかなだ。こうした企業風土を、ウーバー経験者はHobbesian environment(イギリスの哲学者トマス・ホッブズが説いた「万人の万人に対する闘争」状態)と呼んでいるそうだ。


記者が取材を始めたきっかけは、昨年12月にウーバーを辞めた女性エンジニアが2月19日に公開したブログだ。ネット上でspread like wildfire(燎原の火のごとく広まった)投稿によると、彼女は上司からの深刻なセクハラ被害に遭っただけでなく、そのことを人事部に訴えるとshrugged off(無視された)という。


ブログ公開後、社長のトラビス・カラニックは、元司法長官ら外部識者を招いてセクハラ問題の内部調査を始めるなどすばやい対応を見せたが、組織を変えることはできるだろうか。カラニック社長自身が、契約条件に不満をこぼしたウーバーのドライバーと車内で言い争う映像がその後ネットメディアで公開され、謝罪する羽目になった。問題の根は深く、その道のりは険しそうだ。


2月22日付、ニューヨーク・タイムズ紙


Rochelle Kopp

人事管理と異文化理解が専門のコンサルタント。シカゴ大経営大学院修了。日本語が堪能。本コラムに加筆した『見出しとリードで読み解く英語ニュース』(語研)など著書多数。


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