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セネガル人にとってダンスとは?/ユッスー・ンドゥールに聞く






ワールド・ミュージックの旗手として知られる歌手、ユッスー・ンドゥールは今、セネガル政府の観光余暇大臣だ。セネガル人にとってのダンスの意味について聞いた。(聞き手、宮崎勇作)





ユッスー・ンドゥール/photo:Miyazaki Yusaku


——セネガル人にとって踊りとは?


ダンスとは私たちにとって大切な文化のひとつで、人生の喜びの表現方法。人生そのものだと言っていい。たとえば、人の死が歌われる悲しい歌がある。でもダンスが加わることで、悲しみを喜びに転化することができる。


セネガルのダンスに重要な役割を果たしてきたのはグリオだ。今はインターネットやテレビ、ラジオが普及しているが、それまでは、グリオが踊りや歌で世の中の出来事を伝えてきた。昔は、グリオたちが、戦争している国や、けんかをしている人の間に入って、仲裁の役割を担ったこともある。私は現代のグリオでありたいと思って、歌を歌い、踊りをつくってきた。グリオの役割は今も昔も変わらない。



——大臣は、社会問題を歌い、「歌うジャーナリスト」と呼ばれ、大統領選に出馬表明をしたこともある。踊りや歌は、政治や社会にどのような影響を与えるのか。


踊りや歌はセネガルの国の活力。人の思いを伝える手段でもある。政治家が国民の声を聴いていなかったら、国民が踊りや歌で訴えることは当然のことだし、歌や踊りのもつ喜びや悲しみの大きな力は政治を良くすることに必要不可欠だ。



——セネガルの若者の間で、アメリカのヒップホップが人気を呼んでいます。


すばらしいことだと思う。最初は米国のまねも多かったが、今の若者はセネガルのダンスやウォロフ語という自分たちの文化を前面に出してヒップホップで世界進出を始めている。うまくやっているなあと感心している。


セネガルのダンスや言葉は非常に洗練されたものだ。国の観光産業にとって、起爆剤になる可能性を秘めていると思う。観光余暇大臣としても若者たちを応援したいと思っている。



ユッスー・ンドゥール


1959年、ダカールで世襲の音楽家グリオの家系に生まれる。ロックやレゲエなどと、セネガルの伝統的な音楽を融合した新しいダンスジャンルをつくった。85年、ポール・サイモンらが参加したアルバム「ネルソン・マンデーラ」は有名。2012年には大統領選に出馬を表明するなど注目を浴びた。

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