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FRBと日本銀行

[Part3]金融政策を決めるのは?

日銀旧館の外観=日本銀行提供

日銀の金融政策を決めるのは、9人でつくる政策委員会だ。会社における取締役会にあたる。政策を決める金融政策決定会合は年8回開かれ、9人の多数決で決める。


一方、米国の金融政策を決める場が、FOMC(連邦公開市場委員会)だ。投票権を持つのは12人。FRBの正副議長を含む理事会メンバー7人とニューヨーク連銀総裁が毎回投票するほか、全国にある地区連銀の総裁が輪番制で務める。


金融政策、どんな手段が?


中央銀行は長く、公開市場操作で短期金利を上げ下げすることで金利の水準を誘導し、金融の引き締めや緩和をしてきた。伝統的金融政策と呼ばれる手法だ。


しかし、バブル崩壊後の長引くデフレから抜け出すため、日銀は、一定の条件が整うまで将来も金融緩和を続けると約束する「時間軸政策」や、国債などを買うことで金融市場に供給するお金の量を増やす「量的金融緩和策」など、「非伝統的」と呼ばれる金融政策に踏み切る。景気を刺激するために金利を下げ続けた結果、それ以上は下げられなくなる「ゼロ金利制約」にぶち当たっていたためだ。


01年3月、当時の速水優総裁は、量的緩和等を導入し、物価の伸び率が安定的に0%以上になるまで続けると表明した。白川方明総裁時代の10年10月には、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れも決めた。こうした緩和策は今に引き継がれ、黒田東彦総裁はさらに購入額を増やしている。


米国も、08年から量的緩和策を決めた。当時のバーナンキ議長のもと、FRBは3度にわたって量的緩和策を実施した。主に米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れ、リーマン・ショック後の危機の拡大を防ごうとした。


世界経済は徐々に回復に向かい、米国は14年10月に量的緩和策を終え、翌年利上げに転じている。15年1月に量的緩和策の導入を決めた欧州中央銀行(ECB)も17年10月に緩和の縮小を決めた。


日銀は今も緩和のアクセルを踏み続けている。16年には、銀行が日銀に預ける口座の一部にマイナス金利を適用するマイナス金利政策と、住宅ローンなどの指標になる長期金利を0%程度に保つように国債を買い入れる長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を導入した。銀行に貸し出しを増やすよう促し、その結果、設備投資や消費が増えることを狙った。


低成長やデフレ、経済危機に対応するために生まれた非伝統的金融政策だが、その歴史は浅い。効果や副作用の検証は十分とは言えない。


(「終わりなき論争」に続く)

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