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被災地と復興庁

[Part1]「復興庁できて一気に進んだ」 村井嘉浩・宮城県知事






現時点では復興庁を非常に評価しています。今回の復興の特徴は、住まいを震災前と違う場所、安全な場所に移したことです。あらゆる規制を片づける必要があったが、各省庁を窓口にしていたら、いまも工事ができていなかったのでは。復興庁があったおかげで、一気呵成(かせい)に進められたことが一番大きいと思います。


次はお金の差配です。各省庁にそれほど足を運ばず、復興庁の1カ所だけで済む。出先である復興局もあり、東京まで行かずに打ち合わせができました。


もちろん、当初は混乱していたと思います。混乱時に、全く新しい急ごしらえの組織を作ったので動き出すまでに時間がかかった。そのころに復興交付金の問題がありました。ダメダメと切られ、インパクトのある形で世論を味方につけないと国を突き破れないと思った。出てきた言葉が、「査定庁」です。


交付金をもう少し柔軟に使わせてほしいという例は、市町村と同様にありました。ただ、国民の税金を使う以上、一定のルールのもと誰に対しても説明できるものでなければいけない。国と我々のどちらが悪いということではなく、それぞれの言い分のせめぎ合いでした。


復興予算の地方負担の話が出たとき、「いつまでも税金で何でもやってもらおうという意識ではだめ、甘えすぎてはだめ」という国民の意識を皮膚感覚で感じました。これをある程度認めないと、最後は復興庁に押し切られるんですよ。


地方負担を認める発言をしたのは、有利な条件を引き出すため。その結果、三陸道や市町村が新たに造る防潮堤が引き続き全額国費になりました。長年要望してきたことが一気に片付く。ほかの県ではありえないこと。県や市町村にとって一番いい結果を導くことが仕事だと思っています。


私は今回の復興は間違っていないと思っています。ただ、沿岸部で過疎化が進む田舎でも莫大な財源が必要でした。南海トラフのような場合には、さらに一桁違うでしょう。できないかもしれない。その場合の国の方針を固めておく必要があるでしょう。


(構成・中林加南子)




むらい・よしひろ 

1960年、大阪府生まれ。防衛大を卒業し陸上自衛隊へ。松下政経塾を経て、自民党県議から知事に。3期目。




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