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家事がなくなる日

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[Part2]家事代行 日本でも広がる







日本でも家事代行サービスを使う人が増えている。「一握りの金持ちのもの」と思われがちだったが、女性の社会進出で需要が増加している。業者が増え値段も下がってきた。高齢者にも人気だ。


横浜市の共働き夫婦、勝間直行(37)・葉子(37)のマンションに10月末の週末、フィリピン人のネリー(36)がやってきた。「水回りをお願いします」。葉子から指示を受けたネリーは、エプロン姿で風呂の掃除を始めた。その間2人は、2歳と0歳の息子と遊ぶ。


半年前から2週に1度、掃除や料理を頼んでいる。長男の保育園の送り迎えなど、直行は家事を積極的にするが「完璧に分担したところで、家事は終わらないというのが僕の実感です」。葉子は現在育休中だが、「1度水回りを掃除してもらうと、1週間くらいはあまり気を使わず放置できる。浮いた時間を、子どもや自分の将来のための勉強に使えるので、高いとは思いません」。3時間の利用で、4500円を払った。


2人が利用するのは家事代行マッチングサイト「タスカジ」だ。1時間3000円前後という業者が多い中、ネット上で家政婦と利用者をつなぐことで手数料を抑え、業界最安値を実現した。利用するのは世帯年収1000万円前後の家庭が多い。総務省の調査によると、世帯主が働いている2人以上の家庭の7組に1組が、年収1000万円を超える。



家事より育児に時間を割きたい


タスカジのスタッフは、日本人と結婚するなど在留資格を持つ海外出身者が8割を占める。「1時間1500円という価格は、払う方にすれば割安で、働く方にすれば比較的高い。外国人なら子どもの英語の勉強にもなり、夫を説得しやすいというお客様も多い」と代表の和田幸子は話す。フィリピン出身者はその質の高い仕事ぶりで、特に人気だという。


高齢者世帯の利用も広がっており、業界大手のベアーズでは顧客の2割を占める。「介護保険を使うほどではないが、家事が負担」という人に好評で、子どもが親の家の家事を頼むことも多い。


民間シンクタンクのまとめによると、2012年度の家事代行サービスの市場規模は980億円。将来的にその6倍に膨らむと予想する。経済産業省は今年1月に初の業者向け指針をつくり、質を担保しようと躍起だ。


NHKの調査では、成人女性が平日に家事に費やす時間は4時間25分と、40年前から1時間ほど減った。総務省の統計でも、子持ち世帯の夫婦が家事をする時間は減り、育児の時間は増えている。女性の就業率が上がる中、「家事より育児に時間を割きたい」という風潮が、代行サービスの利用につながっているとみられる。


(田玉恵美)

(文中敬称略)

(次ページへ続く)




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