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私の海外サバイバル

[第119回]世界一、食に恵まれた駐在員?@アディスアベバ

田中拓夫 エチオピア三菱商事社長




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ガーネットさんがつくった「から揚げとナスの煮浸し」

自分を入れて社員14人の現地法人でタイヤの輸入やコーヒー豆の輸出などを手がけています。日本メーカーのタイヤを、日本やタイの工場から持ってきてこちらのタイヤ・ディーラーに売るわけです。市場シェアはトップで2割ほどを占めます。エチオピアには工業製品を作れる工場がほとんどなく、車メーカーもないのですが、タイヤの買い替え需要は年々伸びています。


こちらでは40~50年落ちの車が平気で走っています。8割は日本車で、カローラの初期モデルなどにもお目にかかります。10年落ちのカローラが200万円で売られていて驚きました。日本ではお金を出して処分してもらわなければいけないレベルですよね。ただ、車を所有できるのはごく一部の富裕層に限られていま

す。日本では年間500万台の新車が売れているのに対し、エチオピアでは車の保有台数が50万台レベルにとどまっています。


伝統的なコーヒーセレモニー
















エチオピアからはコーヒー豆を生産者組合や大手農園から購入して国外に販売しています。アラビカ種のコーヒー豆はコロンビアやブラジルが主な産地ですが、エチオピアでも新しいコーヒー農園が積極的に開拓されており、これから生産量が増えていく可能性があります。政府も農業投資には積極的です。コーヒー園の経営については外資に開放もしています。


新たな事業開拓先として注目しているのは発電所の新設です。道路やビルの建設ではコストで中国企業にかないませんが、発電事業ならば勝ち目があります。特にエチオピア政府は地熱発電所を求めていて、地中深く掘って蒸気を引き出す技術では日本に優位性があるためです。


アフリカには資源で潤っている国も多いですが、エチオピアにはほとんどありません。そのため政府は再生可能エネルギーだけを使おうというポリシーを持っていて、水力や地熱、太陽光、風力などが注目されています。現在は98%の電力がダム(水力)でつくられていますが、送配電網の不備や干ばつなどによって安定供給にはほど遠い状態にあり、首都アディスアベバでも毎日停電があります。短くて30分、長いと24時間続くこともあります。水力だけでは頼りにならないので、政府は電源を多様化しようとしているわけです。


まだ具体的な事業については確定していませんが、そのときには日本のパートナー企業と一緒に受注できるよう、関係省庁や政府の人に会うなどして情報収集を続けています。



Tanaka Takuo

1958年、神戸生まれ。三菱商事に入社後、食品原料取引の担当やヨハネスブルク支店勤務などを経て、2013年からエチオピア三菱商事社長。




(次ページへ続く)

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