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生成AI時代のリスキリング最前線〜生き抜くためのスキルとは〜

Sponsored by ServiceNow Japan 公開日:
対談をしたServiceNow Japanの松平知永さん(右)とジャーナリストの浜田敬子さん

女性のデジタル人材育成を目指す「NextGen Program for Woman」

――ServiceNowはどのような企業で、どのようなサービスを展開しているのでしょう。

松平知永さん(以下、松平)ServiceNowは2004年にアメリカで設立された企業で、企業向けにクラウドサービスを提供しています。機械やAIに任せられるところは任せて、人しかできない仕事を創造することをミッションとしています。その実現のために、業務で使うアプリケーションをクラウドベースでプラットフォームとして提供しています。全世界の顧客企業・組織は約7700社超(2023年12月現在)にのぼります。日本法人は2013年に設立されましたが、日本市場は伸び代が大きいため、今年からアメリカ本社直轄となりました。

自治体や企業で使っている業務用アプリやシステムは多種多様です。それらをすべてServiceNowのプラットフォームにまとめると、IT部門だけでなく、人事部門やカスタマー対応部門、法務部門などのデータがつながり、業務効率を上げることができます。

浜田敬子さん(以下、浜田):私が以前ベンチャー企業に勤めていた時、色々なアプリを使っていました。50歳で転職したこともあって、「これはどのアプリを使うんだっけ?」と覚えるのに時間がかかってしまったのですが、ワンストップで管理できるのはいいですね。特に自前のプラットフォームを作れない中小企業やベンチャー企業にはありがたいと思います。

松平:全従業員の入口がひとつになれば、仕事は確実にやりやすくなります。例えば、入社の手続きは人事部門だけでなく、採用部門や法務とも関わりますが、ServiceNowならそれらのデータや手続きが一元管理できます。プラットフォームにはAIやアナリティクスの機能が搭載されていて、エンジニア以外でもノーコードあるいはローコードでアプリケーションを作ることもできます。

――提供している人材育成プログラム「RiseUp with ServiceNow」について教えてください。

松平:ServiceNow関連のスキルを習得する人材を2024年までに世界で100万人育成し、活躍の場を創出、キャリア支援を行うトレーニングプログラムです。企業として成長していくためには、やはり人材が鍵となります。「RiseUp with ServiceNow」では、既存のお客様やお客様への導入支援を行うコンサルティング、IT会社がServiceNowのスキルを身につけるだけでなく、今までデジタルに触れてこなかった方々にもトレーニングを提供し、キャリアチェンジのチャンスを支援していきます。

国内では、神奈川県藤沢市と包括連携協定を結んでデジタルプラットフォームの構築やDX人材育成をしています。また、次世代を担うDX人材を育成するための教育プログラムを広島大学や慶応義塾大学に提供しています。学部生や大学院生を対象に参加者を募集し、約6カ月にわたってアプリ開発などのトレーニングを受講してもらいます。受講後の夏季休暇には、ServiceNow Japanのユーザー企業やパートナー企業でのインターンシップに参加できます。

浜田:まさに即戦力を育てているわけですね。女性のデジタル人材教育も始められますよね。

松平:弊社では、人種的公平性、ジェンダー的公平性、世代間の貧困解消を目指していて、日本では女性を対象にしたプログラムを「NextGen Program for Woman」と呼び、完全無償でトレーニングから就職支援まで行います。2023年10月から募集を始め、2024年1月にキックオフする予定です。

浜田:プログラムと出口となる仕事を用意するとしても、モチベーションを絶やさずにプログラムを受けてもらい、その人に合った仕事とマッチングさせることはなかなか難しいですよね。

松平:キャリアチェンジをすること自体が頭にない方々がたくさんいらっしゃる中で、「こういう道もあるんだよ」と示すことがすごく大事だと思っています。

これまでの経験+αのキャリアチェンジをデジタルスキルで

浜田:リスキリングが成功するかどうかのポイントと言えると思うのですが、未経験から高度な技術をもつまでになるのは相当難しいですよね。学習を継続してもらうために、受講者同士のコミュニティを作り、そういう場で心が折れそうなときに支えあえるかが重要だと思います。加えて、しっかりした出口。きちんとした賃金が支払われるかどうか。ServiceNowさんの場合は、トレーニング終了後の出口は業務委託となるのですか。

松平:業務委託もありますが、本社で正社員として雇用するケースもあります。

浜田:人材を確保したいという視点もあるのでしょうが、「男女の賃金格差の解消」など社会課題に目を向けているところがすごくいいと思います。日本の企業にはその視点があまり感じられません。

松平:ServiceNowはアメリカの企業だからかもしれませんが、人材育成だけではなく、社会、環境、コミュニティに対して還元していこうという意識が当たり前にあります。 もちろん日本でも企業が社会課題解決のための活動をしていますが、国民一人ひとりに根付いているかというと、まだまだ発展の途上な気がします。

浜田:海外では国や州が主導し、企業と連携してリスキリングを進めている事例がありますが、日本でも行政と企業が一緒になって取り組むことが必要だと思います。

――「テクノロジー業界・分野へのスキルアップを目指す女性」「テクノロジー業界・分野の正規雇用を目指す女性の派遣社員」「子育てなどで退職し、仕事復帰を目指す女性」「テクノロジー業界・分野へのセカンドキャリアを目指す現役あるいは引退した女性アスリート」と、募集対象者が具体的に書かれています。

松平:ここに書かれている以外の方でもいいんです。ただ、募集では具体的に書いた方が「私にもできる」と思ってくれる方たちが増えると思いました。アスリートのリスキリングは、アスリートのセカンドキャリアを支援している方からお話を聞く機会があり、加えた項目です。

浜田:業務委託などで働く時、一番大事なのはチームワークやリーダーシップだと思います。これまで違う分野で仕事の経験を積んでこられた方にITスキルが加われば、また違うことができるかもしれませんよね。

松平:今までご自身が培ってきた経験やスキルを捨てるわけではありません。それを生かしていただきたいと思います。そこにITスキルが加わることで厚みが増す。そこにモチベーションを見いだせる方に来ていただきたいと考えています。

浜田:無償で受けられて仕事も紹介してもらえる。その意味ではこういったプログラムはすごくいい機会ですね。

必要なのは「自ら成長しよう」とする気持ち

――生成AIがますます発達する時代。これからを生き抜くために必要なスキルとは何でしょうか。

浜田:業務の効率化は進みますよね。ただ、最終的に何かを判断するとか、責任を取るとか、そういうことはやはり人間しかできない。AIは選択肢を出してくれるし、やりとりもできるけれど、最終的に決断するのは人間なんですよね。マネジメントスキルやリーダーシップがより求められると思います。

松平:変化についていくために学ばないといけないですし、「変わらなくては」という気持ちを持つことはすごく大事だと思います。

浜田:「2030年までに米国の雇用の47%が自動化する」と予測したオックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授にインタビューしたことがあります。未来に必要なスキルは何かと聞いたら、1番目が戦略的学習力という答えが返ってきました。 つまり、時代が変わると求められるスキルはどんどん変わっていく。だからこそ必要とされるスキルを学び続けること、時代が変わっても自分の能力をアップデートしていく必要があると。大変なことですけどね。

松平:弊社でも「Growth Mindset(成長するという意思)」を大事にしています。日々の変化についていくことはすごく大変ですが、その先に何かいいことがある。自分にとって成長があるという気持ちを持ち続けなければ変わっていけないでしょうね。また管理職としては、自分が率先してリスキリングをし、その姿勢を部下に見せることも大事だと思っています。

浜田:海外でリスキリングの事例を取材すると、皆さんポジティブに捉えていると感じました。日本だと「やらなきゃ」という気持ちが強いと思います。楽しみながらポジティブにリスキリングを進められるといいですね。