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新しい「大人の証し」 ポトスのすすめ


アメリカでは18歳から34歳の500万人が2015年の間にガーデニングを始めたといい、ミレニアル世代の37%にあたる人々が室内で何らかの草木やハーブを育てているらしい。土いじりに対するこの思いは、私だけじゃなかったようだ。


「健やか」な何かを求めてしまうから、というのはある。私たちが家と呼ぶ、うんざりするような安アパートに一筋の緑を走らせたくもあるのだろう。


しかし最たる要因は、植物は自分が大人になったと感じさせてくれるということだ。結婚、子ども、マイホーム……。従来の「大人の証し」を手に入れるのが遅くなったり、手が届かなくなったりするなかで、家に帰ると自分を頼ってくれる存在がいるというのは、心安らぐものがある。


ゆえに植物の栽培は、大人らしさを稼働させるための試行錯誤の場であり、自分がどんな人間なのか見極められる手ごろな投資だ。枯らしても法的には許される以上、何かを所有することやそれに伴う責任とは何たるかを、身構えず安心して試してみられる。とはいえ、何か間違えたら、葉がしおれたり、変色したり、虫が襲来したりして律儀に訴えてくる。だから「ダメ出し」があまりに続くようになると、ズボラでも持ちこたえてくれるような植物にいてほしくなる。


だから、ポトスだ。ほぼすべての生きとし生けるものの命を奪う環境下にあっても、鉢にさえ入っていたら2~3メートルに達する。


電話相談からの知恵やら自分の知識を総動員しても、依然、私は失敗してしまうことがある。ツルを暖房に近づけすぎて下半分を黒焦げにしてしまったり、休暇から帰ったら土の表面が干からびてひび割れていたり。日当たりの悪い窓辺に置いたときには、しぼみ、黄ばませてしまった。


毎週火曜の朝、ワインの空き瓶で水をあげながら、うちのポトスは今日も生きてる、と思う。ポトスは私に、寛容であることの大切さを教えてくれた。ツルが一本だめになっても、ふと見ればまた新芽を出している。それは、また前に進むチャンスがあるということなのだ。



(ジャズミン・ヒューズ、抄訳 菴原みなと)

©2017 The New York Times



Jazmine Hughes

1992年生まれのフリーライター。ウェブマガジンを中心に「ニューヨーカー」「エル」「コスモポリタン」に寄稿。

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