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陸上 米国の逆襲 スプリント界は新時代に

[第99回]

ボルト(右)より先着し、世界を驚かせたコールマン(中央)
Photos: Ikeda Ryo



8月にあった陸上の世界選手権。男女100メートルで躍動したのは圧倒的な強さを誇るジャマイカ勢ではなく米国勢だ。ジャマイカのスター、ウサイン・ボルト引退で短距離は新時代に突入。陸上大国・米国の逆襲が始まった。(スポーツ部・遠田寛生)



8月5日、ロンドンのオリンピック・スタジアムで行われた男子100メートル決勝。5万人を超える観衆を待ち受けていたのは、予想外の結末だった。


大本命のボルトは、スタートの遅れが響き9秒95で3位。優勝は9秒92で駆け抜けた米国のジャスティン・ガトリン。9秒94のクリスチャン・コールマンが2位で続き、米国勢が2001年のカナダ・エドモントン大会以来16年ぶりに1、2位を独占した。「うまく勝利をさらえた」とガトリンは胸を張った。


約10年君臨した「ボルト王朝」の崩壊は、翌日の女子100メートル決勝にも影響した。ボルト敗退を見て、「不可能なことはない」と勇気づけられた米国のトリ・ボウイが、今季自己最高の10秒85で優勝。リオデジャネイロ五輪の金メダリスト、ジャマイカのエレン・トンプソンは5位に沈んだ。

女子100メートルで念願の優勝を果たしたボウイ


米国が、世界選手権の男女100メートルで金メダルを獲得したのは、05年ヘルシンキ大会以来。ここ約10年はジャマイカ勢のほぼ独壇場だったが、再び威光を示した。ロサンゼルスとソウルの五輪で100メートルを連覇したカール・ルイスは「陸上がさらに発展していくチャンス」とメディアに語り、喜んだ。


100メートルは、かつて米国の「お家芸」だった。男子は世界記録保持者が続出し、1980年代以降、ルイスを筆頭に、シドニー五輪金メダルのモーリス・グリーン、リロイ・バレルら才能の宝庫だった。女子も、薬物疑惑が絶えないとはいえ、ソウル五輪金メダリストで世界記録10秒49を持つフローレンス・ジョイナーら世界を席巻した選手は多数いた。



(次ページへ続く)

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