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米テキサス州のロデオ 「8秒」が映す牧場の生き方

[第95回]

脚を大きくはね上げる馬の背中で、選手の体がムチのようにしなる。
photo:Kato Takeo

米テキサス州オースティンで毎年3月に開かれるロデオの大会が今年80回目を迎えた。牧場の暮らしを色濃く反映したロデオは一方で、プロ選手が賞金を懸けて全米を旅する過酷な世界でもある。(サンフランシスコ支局長・宮地ゆう)



会場を盛り上げる大音量の音楽と共に、アナウンサーが声を張り上げた。


「行け、行け! あと少し!」


シャツをきちんと着こなしたロデオ選手の体がムチのようにしなる。馬は後ろ脚を大きくはね上げ、激しいステップを踏みながら走り回る。選手は何度も馬の背中にたたきつけられた。「ピー」。会場にブザーが鳴り響いた。規定の8秒が過ぎた合図だ。


「75点」。電光掲示板に得点が表示されると大きな拍手と歓声が起きる。これだけ息を詰めるように8秒を意識することはなかなかない。中には3秒ほどで落馬し、茶色の土の上を何回も転がる選手もいる。普通の人ならこれだけで大けがしかねない。

ロブ・ゴールディングさん
photo:Kato Takeo

大会を運営するロブ・ゴールディングは「集まってくるのは全米トップ選手ばかり」と胸を張った。大会には約2週間で約100人の選手が参加する。賞金総額57万ドル(約6400万円)をトーナメント方式で争う。ロデオ会場としては約6500人収容と小ぶりながら、馬の息づかいまで感じられる観客席の近さがうりだ。


「ロデオは、誰が馬に乗って速く走れるか、誰が早く牛を捕まえられるかを、農場同士で競い合い始めたのが起源だった」とゴールディング。米国だけでなくメキシコにも似たものがあり、発祥の地ははっきりしないというが、テキサスではいまも盛んだ。


ロデオというと「暴れ馬」に乗るシーンがまず浮かぶが、競技種目はこれだけではない。2人が馬で並走して牛を追いかけ、首と脚に投げ縄をして捕まえる時間を競うもの、暴れ馬ならぬ「暴れ牛」に8秒間乗って採点を受けるものなど計7種目ある。見ていると、どれも農場で日々行われている仕事がそのまま競技になったことが伝わってくる。



(次ページへ続く)

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