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英語の「読む、聴く」だけで、情報収集能力が格段にアップします 松井博 #7


インターネット上で日本語が占める割合が一体どのくらいかご存知ですか?

実は、わずか3%なのです。


一方、英語は25.3%を占め、もちろん堂々の1位です。つまり単純に言って、日本語の約8倍もの情報が英語でやりとりされているのです。ちなみに2番目に使われることが多いのは中国語で19.8%。日本語は7位に位置します。つまり、英語を読んだり聞いたりできるだけで、日本語の何倍もの情報量に接することができるのです。



最先端の情報は常に英語から

また、最先端の情報というのは分野を問わず、まずは英語で発信されます。特にコンピュータ・サイエンスやバイオテクノロジー、あるいは金融工学などといった新しい時代を形作るような情報は、真っ先に英語で入ってきます。


また、「インターネット後」の世界では、日本企業がことごとく発信力を失ってしまったため、英語を介しての最先端の情報を取り入れることの重要度がさらに高まったようです。現在ですとブロックチェーンや仮想通貨、AI、 クラウドコンピューティング、バイオなどが例として挙げられますが、どれも日本語を介さずに英語で直接学んだ方がより鮮度が高く、詳しい情報にありつけるものばかりです。


最近になって中国発の最先端情報も急速に増えてきましたが、まだ現時点では英語の方が情報の鮮度も量も先頭を走っています。ビジネスや学問を論ずる上で英語がデファクト・スタンダードの言語となっている現状を鑑みると、この状況が変わることは、まだしばらくないでしょう。


つまり、ただ「英語が読める、聴ける」というだけで、情報収集力が飛躍的にアップするのです。英語学習というと、つい会話ばかりを考えがちですが、単に読めるだけも極めて実用的なのです。また映像や音声による情報も、英語で発信されたものがあふれています。つまり英語が「聴ける」というだけでも、様々な最先端の情報に接することができるのです。


最先端の情報だけではない

また、得られるのは最先端の情報だけではありません。例えばギターの弾き方でも、水道の修理の仕方でも、単純に英語で調べた方が確実に情報が多いのです。もちろんインターネットの情報は玉石混合ですが、それでも絶対量が多いので、すそ野が広い分、質の高い情報に遭遇する確率は、日本語だけで調べるよりも確実に上です。


一つ例を挙げましょう。私自身、何年か前にちょっと必要に迫られてWeb プログラミングをしていたことがあるのですが、何かエラーに遭遇するたびに、その時に使っていたプログラミング言語のオンライン・コミュニティが実に頼りになったのです。


こうしたコミュニティで質問したり、これまでのディスカッションを読むだけで容易に解決にたどり着くことがしばしばありました。また、サンプルコードなども非常に数が多く、ほんの1ヵ月程度で必要な作業を終了することができました。


これは僕自身がかつて本職のプログラマだったことにも起因しますが、しかし、もしもインターネットがなかったら、そして、もしも英語ができなかったら、こんなに素早く新しい言語でWeb アプリケーションを作ってしまうことなど絶対にできなかったでしょう。


また、僕は現在経営している語学学校、Brighture English Academy を開設する際に、第2言語習得に関するたくさんの学術論文に目を通しましたが、もしも英語ができなかったら学問的に裏付けられた論文を読むことなどなく、自分の間や経験だけでカリキュラムを作ることになったでしょう。なお、同じような情報は日本語でも探しましたが、その情報量は英語の10分の1どころか、50分の1から100分の1といった有様でした。


同じ事は他の学問や技能でも当てはまります。スポーツ、学問、芸術、音楽…分野を問わず、英語で情報を探すと、到底観きれないほどのチュートリアル・ビデオや、ハウツーを解説したサイトなどを見つけることができます。車の修理などといったDIYから楽器の演奏に至るまで、英語で検索するとすぐに有用な情報にたどり着くことができるのです。


読む力、聴く力は独学で鍛えられる


それでは実際に読む力、そして聴く力はどうやって養えばよいのでしょうか?


ハイ。とっても簡単です。


少しずつレベルアップさせながら、たくさん読んで、たくさん聴けば、必ず力がついていきます。出発点は中学校の教科書やNHKの英会話教材などでも大丈夫です。少しずつ難易度を上げながら学習を進めるのがポイントです。


また、自分の興味のある分野からスタートするのも大切なポイントです。例えば僕は日本語でもSF小説が好きでしたので、最初のうちは英語のSF小説をずいぶん読みましたし、科学系の雑誌なども定期的に読んでいました。やがて英語を読むことに抵抗感がなくなってから、だんだん読むもの幅を広げていったのです。最初のうちは日本語で読んだことのある、ある程度内容を知っているものからスタートしても良いでしょう。


聞くのも同じことです。自分が興味が持てる、そして自分にレベルのあったものからスタートし、徐々に幅を広げていきましょう。また、リスニングというのは、半分くらいは予測で成り立っていますから、既にある程度予備知識のある分野から始めると、かなり聞き取ることが可能なのです。まずはこうした分野からスタートし、少しずつ幅を広げて行くのが上達のポイントです。


読む、聞く、も立派な英語の活用です

なぜか日本では「英語を使う」というと会話にこだわる人が多いのですが、読んだり視聴したりして情報を取得したり、ドラマや小説や映画を楽しむのだって立派な英語の活用です。そう、別に話せなくても英語は役に立つのです。


また、読めないこと、そして聞けないことは、やはり書けませんし、話せません。読む、聞くは、独学で十分伸ばせますから、会話ばかりにこだわらず、ぜひコツコツと勉強してみてください。そして朝はニュース番組を視聴して世界の最新のニュースに触れ、通勤中はPodcast を楽しみ、昼は専門分野の文献を読み、夜はNetflixでアメリカの最新のドラマを見ながらくつろぐ、なんて生活も日本にいながらにして可能なのです。英語を喋れなくても、です。


皆さんも、英語を活用して、新しい自分の世界を広げてみませんか?




【バックナンバーはこちら】

英語ってどうすれば上達するのですか? 松井博 #1

TOEICで高得点だと英語が話せるか? 松井博 #2

英語学習は、中学の教科書の丸暗記から! 松井博 #3

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松井 博

米国にて大学卒業後、沖電気工業、アップルジャパンを経て、米国アップル本社に移籍。iPodやマッキントッシュなどの品質保証部のシニアマネジャーとして7年間勤務。2009年に同社退職。カリフォルニア州にて保育園を開業。15年フィリピン・セブ島にて Brighture English Academy を創設。著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する』など。



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