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変わる消費の形 (1) テクノロジーが可能にする「共有社会」 松井博 #04

インターネット普及以前、僕らは必要なものをすべて自分たちで購入していました。レンタルで済ませるものといえば、結婚式で着るタキシードやウェディングドレス、あるいは旅行先で借りるレンタカーくらいだったのです。


そんな価値観を信じて疑わなかった僕の家は、モノで溢れています。乗用車2台にバイク1台、1年に1回も使わない工具各種、キャンプ用品、20年以上着ていないスーツなどなど……。自分でも何がどこにあるのかよくわかっていません。

所有は古い?

日本ではタクシー業界の反発が大きいUBERだが、地方で住民の足として利用する例が出てきた=2016年12月、京都府京丹後市

ところがそんな僕の生活も、ここ数年で大きく様変わりしつつあります。最初のキッカケはライドシェアサービス、ウーバー(UBER)の利用でした。当初僕は、赤の他人の車に乗ることに対する漠然とした不安感と、頻繁に目にするネガティブな報道とが相まって、利用をためらっていました。しかし、一度試してみたところ、タクシーとは比べ物にならないほど快適だったのです。


日本では考えられないかもしれませんが、海外でタクシーといえば汚く、運転は荒く、運転手の態度が悪いのが普通です。国によっては、ボッタクリさえ日常茶飯事です。一方ウーバーは運転手の愛想が良く、車は清潔で運転は丁寧、現金の受け渡しも必要ない上に、アプリで呼ぶと5分程度で家の前まで迎えに来てくれると、至れり尽くせりなのです。


そんなわけで今では頻繁にライドシェアサービスを利用しています。駐車場が激混みするとわかっているショッピング・モールに出かける時、お酒を飲む集まりに参加するときなど、利用する機会はふんだんにあります。あまりに便利なので、車も1台だけ残してあとは手放すことを画策中です。


一家に車1台は日本ならば驚くに値しないかもしれませんが、ここは車なしでは移動が成立しないアメリカです。それでも車を手放すことを本気で検討するくらい便利なのです。


共有されるのは移動手段に止まらない

東南アジアでは、通勤時などに渋滞をすり抜けるバイクのライドシェアが人気だ=2017年2月、ジャカルタ市内

今アメリカやアジアでは、各種のシェアリング・サービスが爆発的に普及しつつあります。シェアリング・サービスというのは、個人(または企業)が保有する遊休資産の共有を促す、仲介サービスの総称です。共有される遊休資産には、空間やモノ、あるいは時間やスキルなど様々なものが含まれます。いくつか例を挙げてみましょう。



(次ページへ続く)

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