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銃乱射事件の被害児童の父に殺害予告:「死んだ息子を守るために闘わなければいけなくなるとは思わなかった」

"Sandy Hook father Leonard Pozner on death threats:’I never imagined I'd have to fight for my child's legacy'"

(5月2日付 ガーディアン紙)

事件後、被害者を悼む十字架に交じって立つ、ポズナさんの息子ノアくんのダビデの星:photo;Reuters

2012年12月、米コネティカット州サンディーフック小学校で児童20人を含む26人が殺された銃乱射事件を覚えているだろうか。銃を使用した事件が珍しくないアメリカでも、これは極めて悲惨な事件だった。だからこの記事を見つけたときは、とてつもなく驚いた。What is the world coming to?(世の中はいったいどうなってしまうのか)と。


記事で紹介されているのは、事件で6歳の長男ノアくんを失ったレオナード・ポズナさんの体験だ。息子を失ったショックでcatatonic state(緊張病性の混乱状態)だったとき、ネット上で事件そのものを否定する説が広がり始めた。rouse himself(奮起して)、SNSにノアくんの写真をアップすると、「子どもは死んでいない」「うそつき」といった驚きのコメントが返ってきた。death threat(殺害の脅し)を受けたこともある。見出しの「legacy(遺産)を守る闘い」とは、ポズナーさんがhoaxer(人をかつぐ人)と呼ぶ、事件がなかったと主張する人々に、息子の存在を訴え、息子の名誉を守る活動のことだ。


被害者遺族を攻撃する人々は、いわゆるtruther(政府やマスコミが伝えることを信じない人)と呼ばれる人々で、conspiracy theories(陰謀説)の信奉者でもある。彼らによると、サンディーフック事件は、銃規制賛成派やオバマ大統領(当時)らによってstaged(仕組まれた)となる。


陰謀説というものは過去にもあったが、いま陰謀説をとりまく状況に大きな変化が見られると筆者は指摘する。crackpot(狂ったような)陰謀説をpropagate(宣伝する)者が、社会のfringe(外側)にrelegated to(追いやられる)扱いを受けることなく、のさばり続け、ポズナーさんのような一般の市民が陰謀論者の標的にされるようになったというのだ。


記事によれば、こうした状況を助長し、陰謀説を信じる人たちをembolden(勇気づけている)のは、トランプ大統領だ。陰謀説を流すことで知られるニュースサイトの会長スティーブ・バノン氏を政権中枢にすえたり、サンディーフック事件は虚構だったと主張するラジオ番組に出演して、ホストをほめそやしたり。自身も、オバマ前大統領が自分の電話を盗聴していたとか、大統領選でクリントン氏が上回った300万票は不正投票だったとか、言いがかりをつけているのは周知の通りだ。


ボズナさんら事件被害者の遺族が、一刻も早くこのような陰謀説によって苦しまずにすむことを願うばかりだ。


5月2日付 ガーディアン紙から)


Rochelle Kopp(ロッシェル・カップ)

人事管理と異文化理解が専門のコンサルタント。シカゴ大経営大学院修了。日本語が堪能。本コラムに加筆した『見出しとリードで読み解く英語ニュース』(語研)など著書多数。



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