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“Private prisons back Trump and could see big payoffs with new policies” (民営刑務所がトランプ支持で得た大きな見返り)

(2月23日付、USAトゥデイ紙)

ロッシェル・カップ



ニューヨークにある刑務所のメインゲート=Reuters

米国は刑務所にincarcerated(収容されている)受刑者が世界で最も多い。その数、なんと200万人超(日本は6万人以下)。1980年代、薬物がらみの犯罪にmandatory sentencing(最低刑期)を義務づけたことで受刑者が急増したこと、有期刑の上限がないうえに終身刑を言い渡される犯罪者が増えたため、detention(刑務施設への収監)期間が長期に及ぶことなどが理由だ。この結果、連邦や州の刑務所だけでは受刑者を収容しきれず、民間が運営する刑務所に引き受けてもらっているのが実情だ。


この記事は、こうした民営刑務所がトランプ政権から大きな見返りを得たと伝えている。どういうことか。実はオバマ政権時代、連邦政府が契約する民営刑務所の利用をphase out(段階的に廃止する)ことが決まっていた。連邦や州立の刑務所と比べて、矯正水準の低さや、要員不足でin-mate(囚人)同士の暴力事件が多発するなど治安の悪さが目立ち、経費削減効果も疑問視されるようになったからだ。収容者を増やすため刑務所側が判事に賄賂を贈るcorruption(汚職)も起きている。


しかし、トランプ政権はこのオバマ大統領のdirective(命令)をrescind(取り消す)ことにしたのだ。移民対策を強化することで、undocumented im-migrants(必要な証明書類を持たない移民)を拘留する施設ももっと必要になるだろう。記事によると、刑務所を運営する有力企業の株価も急上昇した。民営刑務所にとって、トランプ政権誕生はまことにbode well(良い兆候)である。


見出しにpayoff(見返り)とあるのは、民営刑務所がトランプ側に多額の献金をしていた事実に注目したものだ。トランプ支持のSuper PAC(特別政治活動委員会)に献金した会社は、特定の政策をadvocate for(支持)はしないと主張するが、額面通りに受け取ることは難しい。


トランプ大統領は選挙戦で、drain the swamp(沼地をカラカラにする、要するに既得権益者を一掃し、政治の体制を変える)という主張を繰り返している。民営刑務所は、その沼地のヘドロに当たらないのだろうか。


2月23日付、USAトゥデイ紙



Rochelle Kopp

人事管理と異文化理解が専門のコンサルタント。シカゴ大経営大学院修了。日本語が堪能。本コラムに加筆した『見出しとリードで読み解く英語ニュース』(語研)など著書多数。

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