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[第131回]Holiday shopping: The battle over ‘Black Thursday’ 「ホリデーショッピング:『黒い木曜日』をめぐる競争」

(11月5日付、イーストベイ・タイムズ)

ロッシェル・カップ

photo:Reuters

アメリカでは伝統的に、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日である金曜日がクリスマスショッピングを始める日である。この日は会社や学校が休みなので、買い物にはうってつけだ。毎年、買い物客を引き寄せるための目玉商品が発売され、大手の小売店は朝早くから店を開けて客を待つ。あまりにも多くのアメリカ人がその日に買い物をするので、ショッピングセンターはまるでfrenzy(狂乱)状態だ。ちなみにこの日はBlack Fridayと呼ばれている。1960年代に、出かける人があまりにも多くて交通事故が多発することから、フィラデルフィア市警察がそう呼んだのが由来だとされる。


近年は Black Fridayget a jump on(早く取り掛か)って、バーゲンを待つ人たちにアピールしようと、小売店は開店時間をどんどん前倒ししている。感謝祭当日の木曜日の夜に店を開けるところも出てきたし、木曜日に一日中営業する店さえ出てきた。この現象はBlack Thursdayと呼ばれるようになった。


この記事に紹介されているのは、小売業がtake a different tack(違う方針を取り)始めているという現象だ。感謝祭はrevered(大切にされている)祭日なので、買い物がそれにencroach(侵入し)ていることを必ずしも皆がmeet with open arms(心から喜んで歓迎している)わけではない。そのため、reverse course(逆方向へのコース変更)を決断したことをtout(宣伝する)小売店も登場している。そうすることによって、consumer goodwill(お客の信用)をgarner(獲得する)ことを狙っているからだ。例えば、去年感謝祭に営業していたOffice DepotRadioShackは、今年はあえて休むと発表している。


アウトドア用品を扱うREIは、その先を行っている。今年も引き続き、感謝祭も翌日の金曜日も店を閉めて、買い物ではなく公園などへ行くことを奨励しているのだ。同社の店長は記事の中で、去年それを発表した時は、皆がどのように反応するかがわからず、get a lot of flack(厳しい非難を浴びる)のではないかと不安に思ったと話している。だが、実際はとても好意的な反応が多かったそうだ。


しかし、このような新しい流れの一方で、小売り大手は相変わらず感謝祭も休まず営業しているところが少なくない。競争相手が営業している時に自分たちが店を閉めるわけにはいかないからだろう。しかし、休みに関係なく年中ネットショッピングができる今の時代、「黒い木曜日」に営業するのは本当に価値のあることなのだろうか。これはアメリカの小売業に共通の悩みだろう。



Rochelle Kopp

人事管理と異文化理解が専門のコンサルタント。シカゴ大経営大学院修了。日本語が堪能。本コラムに加筆した『見出しとリードで読み解く英語ニュース』(語研)など著書多数。

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