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壁がつくる世界

[Part4]21世紀、壁が世界で急増している




ベルリンの壁が崩壊して東西冷戦が終わり、グローバル化はとどまるところを知らない。壁に分断された時代は過去のものになる──。当時、私はそんな期待を抱いた。

 

だが、昨年の米大統領選でドナルド・トランプが火をつけた壁への熱狂をみて、改めて世界を見渡すと、まったく違う光景が広がっていた。21世紀に入って、世界はかつてないほど壁に囲まれる時代を迎えていたのだ。トランプはそれを、天性の臭覚で、政治の表舞台に持ち出しただけなのかもしれない。

 

カナダのケベック大学モントリオール校准教授(地政学)のエリザベート・ヴァレの集計によると、20世紀後半まで、世界の壁の数は計画中を含めて十数カ所ほどで推移してきた。それが、2001年の米同時多発テロからしばらくして加速度的に増え始め、今年7月時点では75カ所に達している(グラフ)。

 

壁の作り手には、冷戦の勝者で、自由や経済的繁栄を享受してきたはずの欧米の民主主義国が目立つ。中東や南アジア、アフリカなど、地理的にも壁の拡散は続いている。

 

新たな壁の時代を迎えた理由を探った。



(村山祐介)


(文中敬称略)


(「非武装地帯が作り出した「異質感」」に続く)

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