1. HOME
  2. People
  3. ブラジルで僧侶、宗教越え人々と交わる @マリリア(ブラジル)

ブラジルで僧侶、宗教越え人々と交わる @マリリア(ブラジル)

私の海外サバイバル 更新日: 公開日:
日系人がお金を出し合って建てた寺に集う人々。 Photo: Izuhara Shu

私のON

サンパウロから450キロほどの内陸にあり、コーヒー豆生産などの農業が盛んだったが、現在はビジネス街に。水質のよさで知られ、大手の菓子製造工場も立ち並ぶ。人口約22万。

ブラジルで僧侶をしています。マリリアは日系人が多く住む町で、ほかにも仏教寺院があります。私がいる寺は1949年の創立で、300軒ほどの門徒さんがいます。葬儀や法事を執り行うほか、二カ月に一度、日曜の定例法要も勤めています。お経をあげてポルトガル語で法話をしたあと、門徒のみなさんと一緒にお茶を飲みながら談笑します。日本と違うのは持ち寄る食べ物ですね。ひき肉をイモで包んで揚げたブラジルではおなじみのサウガジーニョなどを食べながら、近況を語り合います。

遠くパラグアイやアルゼンチンなどに住む門徒さん宅を訪ね、お経をあげて回るという仕事もあります。携帯の電波も届かないような山中で、移民してきた先祖が持ってきた仏壇をいまも大切に守り、私を迎えて寝食を提供し、次の家まで案内してくださる方々と接していると、仏教がインドから中国や朝鮮半島を経由し、言語や文化の壁を越えて日本に伝播した、という歴史を肌で感じることができます。お釈迦さまもお寺に安住することなく、こうして歩まれていたのだろうなと考えますね。 日本人の墨絵アーティストを招き、寺でパフォーマンスをしてもらうこともあります。宗教を越えて現地の人たちとの交流の輪を広げることができる。こうした活動もまた、寺が本来果たすべき役割なのではないかと考えています。

私のOFF

法話はテキストを読むことで乗り切っていますが、ポルトガル語はまだまだ。週に1度マンツーマンで先生について勉強しています。パンデイロというタンバリンに似た楽器を習っていた縁で、リオのカーニバルに2回出ることができたのは良い思い出です。

近く出るカラオケ大会では「麦の唄」をうたう予定。シャワーを浴びながら練習に励んでいます。

(構成 GLOBE記者 田玉恵美)

いずはら・しゅう

1967年、広島県で寺の次男に生まれる。石川県小松市の寺などで僧侶を務めた後、2007年に真宗大谷派(東本願寺)の公募に応じて現地へ渡った。