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米国飛び回り、KIMONOファッション提案 @マイアミ(米国)

私の海外サバイバル 更新日: 公開日:
米国人の女性への着付け。アメリカ流の「遊び心」を大切にしている。 photo:Asai Hiromi

私のON

フロリダ州最大の都市圏で人口約600万。リゾート地として発展した。中南米への玄関口としても知られ、ヒスパニック系住民が約半数を占める。

米国の広告やファッション雑誌、テレビなどを舞台に着物スタイリストをしています。着付けをするだけでなく、モデルが身につける着物を提案したり、調達したりもします。2009年には、大手通信会社ベライゾン・ワイヤレスの広告を担当しました。ニューヨークにもオフィスがあり、行き来しています。

一般の米国人にも着付けをします。よそ行きのドレスのような感覚で着物を着たいという富裕層などから仕事の依頼があります。卒業パーティーの「プロム」で着物を着たいという娘さんのリクエストで、フィラデルフィアまで出張着付けに行ったこともあります。

心がけているのは、伝統的な日本の着付けを押しつけないこと。米国人は「ここにビーズをつけてほしい」など自由な発想で着物を使ったおしゃれを楽しもうとしています。着物はあくまでファッション。発展させるには、遊びの部分も必要です。

来年2月には、京都の着物職人たちと一緒にニューヨーク・ファッション・ウィークに着物を正式出展することを目指し、クラウドファンディングで資金を募りました。日本内外から7万米ドルが集まり、手応えを感じています。

私のOFF

3歳の双子の息子がいるのですが、海外での育児はとんでもなく大変です。幼稚園へ車で送り迎えするだけで半日ぐらい終わってしまう感じ。助けてくれる親戚縁者や友人も近くにいません。仕事が入った場合は、ベビーシッターに預けています。

仕事をする上で英語は必須ですが、まだまだ苦労の方が多いです。家族がまだ寝ている朝5時に起きて、毎日勉強しています。週末は家族でカリブ海に面した浜辺に泳ぎに行ったり、国立公園で大自然を堪能したりしています。

(構成 GLOBE記者 田玉恵美)

あさい・ひろみ

東京都出身。大学で歌舞伎とその衣装を研究。茶道や日舞、能も稽古した。夫の仕事の都合で渡米し、2010年から現職。