私のON
ガーベラやベゴニアなど、花の品種開発が主な仕事です。毎週、デンマークとオランダを行き来しています。デンマークの大手種苗会社の花部門を2003年にサカタのタネが買収し、欧州の花事業の拠点としています。花の世界最大の市場があるオランダは営業の拠点です。月曜から木曜まではデンマークで研究を統括し、金曜はオランダで生産者や営業担当者と会って情報を集めます。
デンマークとオランダは、電車と飛行機とバスを乗り継いで片道5~6時間。米国や南米、日本にも年に数回出張するので、飛行機には年100回以上乗っています。体力勝負です。
オランダという世界最先端の花市場では、求められる品質も高い。ここで認められれば世界中で通用します。花の開発は簡単ではありませんが、消費者も生産者も驚くような新しい品種の開発を目指しています。
私のOFF
住まいはオランダで、妻と3人の子どもも一緒です。デンマークは500ミリリットルの水が数百円、ハンバーガーセットが1000円以上することもあり、物価が高い。オランダはデンマークより物価が安く、日本人学校もあり、日本人が多く住んでいます。
現地の幼稚園や小学校では、クラスの半分近くを移民が占め、子どもたちは肌の色に偏見なく友達付き合いをできるようになったと思います。勉強を強制される雰囲気がなく、自主性を尊重してくれるのも、オランダの学校の良いところです。
オランダから周りの国に地続きで車で行けるので、夏はキャンプ場を転々として旅行を楽しんでいます。オランダ人はキャンプが好きなようで、どのキャンプ場でもオランダナンバーの車をたくさん見かけます。子どもたちはオランダ語ができるので、新しい友達をつくって遊んでいます。
(構成 GLOBE記者 左古将規)
かわしま・もりや
1973年、東京都江東区生まれ。大学で植物の育種を学んだ後、99年にサカタのタネ入社。国内で花の品種開発を担当した後、2009年から現職。