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沖縄科学技術大学院大学(OIST)教授 銅谷賢治が挑む「脳科学」と「人工知能」の融合


青く澄み切った空のもと、深い緑の森のなかに沖縄科学技術大学院大学(OIST)はある。沖縄県恩納村。「脳科学」と「人工知能(AI)」の融合をめざす神経計算ユニット教授、銅谷賢治(56)の部屋の前には、この研究室ならではの特色を示した英語の紹介ボードが掲げられていた。


少しずつ重なり合うように描かれた三つの円は、研究室がカバーする三つの領域を表している。ひとつめの円は、「ロボティクス(ロボット工学)」。小型の学習ロボットを使って、ネズミの動きをまねさせる。二つめは、「ニューロバイオロジー(神経生物学)」。こちらは、生きたマウスに学習させて、脳内の神経細胞(ニューロン)の働きを調べる。三つめは、「ラーニング・セオリー(学習理論)」。コンピューターのなかに、脳が学んでいく仕組みを再現させる。


マウスを使った動物実験で脳の働きをさぐる生物学的な研究と、ロボットやコンピューターシミュレーションでその原理にせまる工学的な探求と。おなじ「脳科学」でも、これまで別々の研究室で行われていた研究を、銅谷は、ひとつの研究室のなかで行い、その成果を互いにフィードバックさせる。


2011年に開学したOIST自体、物理学や生物学など、古くからある大学や研究機関ではあまり交わることのない分野の研究者を一堂に集め、その境界領域に新しい分野を切り開くことを目的のひとつに掲げる。そのなかにあっても、銅谷の研究室は、ひときわユニークな存在になっている。


「国際的、学際的な研究機関をめざすのがOIST。ならば、ひとつの研究室のなかに、異なる領域の研究をするチームを設けて、学際的な研究ができる仕組みをつくりたかった。日本の大学ではこれがなかなかできなかった。じゃあ自分たちでつくっちゃおうという感じでした」



(次ページへ続く)

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