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気負わず気張らず、普通に来られるヴィーガンレストランを 東京・世田谷「CORI.」

LifeStyle 更新日: 公開日:
ヴィーガンレストラン「CORI.」を経営する多良正臣さん(右)と麻美さん=北村玲奈撮影

■選べなくて困る人のために

ヴィーガンレストラン「CORI.」のクラシックベジバーガー。「大豆ミートなどで作った植物性のパティには、あめ色になるまで炒めたタマネギやハーブなども入れています」と麻美さん=北村玲奈撮影

――ヴィーガンについて知ったきっかけは何だったのでしょうか。

正臣さん 20年ほど前でしょうか、2人とも食について関心を持っていたので、食と健康みたいなところからインターネットや本などで調べていって知りました。精進料理や玄米菜食などにも関心を持っていました。

――フードの提供はいつから始めたんですか。

麻美さん 2009年からで、最初は東京の青山などでフードトラック(キッチン付きの車両店舗)として営業していました。そのころは「ヴィーガンとは何か」というところから説明することもありましたが、既に知っている方もいましたし、外国人の方にも利用していただくことが多かったです。その後、屋台形式のフードスタンドをへて、2019年からレストランを始めました。

――精進料理やオーガニックなど他の選択肢もある中で、ヴィーガンにしたのはなぜですか。

麻美さん 当時はヴィーガンフードのお店が圧倒的に少なかったから、というのが理由です。求めている人は、数は多くないかもしれませんがいますし、必要性はすごく感じていました。飲食店はたくさんあるのに、ヴィーガンフードを選べなくて困っている人がいるのが気になっていて、何とかならないかと考えていたんです。

■気負わず気張らず、普通に来ていただける場所に

ヴィーガンレストラン「CORI.」の人気メニュー「生春巻き」。サニーレタス、キウイ、スモーク豆腐、アボカドなどを入れ、ソースには香辛料も入れてエスニックな感じを出したという=北村玲奈撮影

――これまで10年以上携わってきて、どんな変化を感じますか。

麻美さん 若い世代、10代20代の関心が高まってきていると感じます。地球環境や動物などへの影響を考えて興味を持つ方が多いように感じていますし、親を連れて店に来てくれたりもします。

正臣さん 特にここ2、3年でしょうか。オリンピックの開催前にお店も増えてきました。

ヴィーガンレストラン「CORI.」で撮影したサラダ。自家製ドレッシングにも工夫を重ね、コクと酸味を楽しめるように心がけているという=北村玲奈撮影

――ヴィーガンフードの選択肢がだんだん身近になってきています。

麻美さん 選択肢の一つとして選べる環境があれば行動に移しやすくなりますよね。お店のジャンルとして、イタリアンや中華や和食などと並んでヴィーガンがあるといいなと思います。最近は柔らかい感じで「週末だけやってみようかな」「選べるんだったらヴィーガンにしてみようかな」という人が増えていて、それは良いなと思っています。厚かましかったり、押しつけがましかったりしないように、ごく普通のこととして日常にヴィーガンフードが溶け込んでいけたらいいですね。気負わず気張らず、普通のお店と肩を並べて、普通に来ていただける場所や料理を作っていきたいと思っています。

ヴィーガンレストラン「CORI.」の人気メニュー「自家製スモーク豆腐とオリーブのピンチョス」。みそベースのたれに漬け込み、桜のチップなどでスモークをする、手間暇かけて作りあげる一品だという=北村玲奈撮影

――料理のこだわりはどんなところにありますか。

麻美さん ヴィーガンフードイコールまずい、という印象を抱かれたらだめですよね。やはりおいしくないと。だから、さっぱりしすぎないように、物足りないと思われないように、見た目も味も工夫しています。どの家庭でも手に入るような、できるだけシンプルな素材を使って、調味料やソース、ドレッシングなどにも力を入れています。その一方で大豆ミートなどはスパイスなども使って、組み合わせで工夫しています。

自宅でやってみようという方は、まずは小難しく考えずに、シンプルに素材を調理するといいかもしれません。その方が、実はおいしさを感じられるものがわりとあります。必要最低限の素材と調味料でやってみると、意外な発見があるかもしれませんね。