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軍事境界線の監視態勢に問題? コロナ感染疑いの男性が韓国から泳いで北へ

東亜日報より
朝鮮中央通信は7月25日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が党中央委員会政治局非常拡大会議を開いたと報じた=ロイター

韓国軍当局が、新型コロナウイルスの感染が疑われる脱北民が、軍事境界線(MDL)を越えて再び北朝鮮入りしたという北朝鮮の発表を認めたことで、軍の警戒態勢に穴が開いたという批判が高まっている。当該脱北民が越北ルートを事前に視察していたにも関わらず、軍は軍事境界線近くの動向をリアルタイムで確認できていなかったことになり、物議をかもしそうだ。

2ヶ月前に密入国防げず、再び見逃す

軍など関係当局は、2017年に脱北した人のうち連絡が途絶えている金氏(24)が越北したとみて、関連の足跡を調査していることが明らかになった。開城(ケソン)の中学校に通った金氏は3年前、漢江河口を泳いで脱北し、京畿道金浦市に居住していたという。

越北前、金氏は金浦市、仁川市江華郡一帯を事前に視察していたことが確認された。「境界線」を越えたと言及した26日の北朝鮮の発表直後、MDLの鉄柵が破られた可能性も提起されたが、地上ではなく漢江河口を泳いで越北した可能性が高いと、軍当局はみている。

この日午前、北朝鮮の報道直後、軍と青瓦台、統一部は「(事実関係を)確認中」という立場を示した。その後8時間余り後の同日午後、やっと軍当局が「合同参謀本部戦備態勢検閲室が、監視装備や録画映像など態勢に問題がなかったか確認している」と明らかにした。これにより、脱北民が19日に越北し、北朝鮮が事実を公開した26日まで1週間、軍当局も政府も越北した事実すら把握できずにいたのではと指摘されている。警察と統一部の脱北者管理に欠陥があるという指摘もある。

軍関係者は「先月まで泰安郡の海上に連続して入って来た密入国のボートを確認できず、叱咤を受けていた状態で、今回の警戒失敗はさらに深刻だ。軍首脳部に対する重い処分が不可避だと思う」と話した。昨年6月、北朝鮮の漁船が三陟(サムチョク)港で発見された時には、5日後、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官が国民に謝罪声明を発表した。

金氏は最近、性暴力の疑いで出国禁止となり、逮捕令状が申請された状態だったという。今月、逮捕令状の審査を前に、金氏は突然警察と連絡が途絶えたとされる。

「致命的リスク」非常事態に金正恩怒号

初めて新型コロナ拡散の可能性を公式に認めた北朝鮮は、非常事態だ。朝鮮中央通信は「(脱北者の越北により)開城市に致命的で破壊的な災いをもたらしうる危険性が高まった」と、金正恩委員長が緊急招集した労働党政治局非常拡大会議で、「ここ6ヶ月間強力な防御的防疫対策を構築し、すべての経路を閉鎖してきたにも関わらず、悪性ウイルスが流入したとみられる危険な状態が発生したことを指摘した」と報じた。15万人が暮らす開城は金委員長がいる平壌から直線距離で約140キロだ。

この日、朝鮮中央TVが公開した映像には金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1部部長や崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長、朴奉珠(パク・ポンジュ)国務委員会副委員長ら北朝鮮の幹部が皆出席した会議で、鄭京択(チョン・ギョンテク)国家保衛相や朴泰成(パク・テソン)党副委員長、全光虎(チョン・グァンホ)内閣副総理を立たせ、怒号を浴びせるように指示する場面が見られた。

北朝鮮は今回の新型コロナの事態を韓国から越北してきた脱北者の責任とし、李仁栄(イ・イニョン)統一部長官候補者の南北対話再開構想も試されているようだ。当初専門家たちは北朝鮮が1月から維持してきた国境閉鎖を党創建日(10月10日)前後に解く可能性があるとみていた。

(2020年7月27日付東亜日報、シン・ギュジン、チェ・ジソン記者)

(翻訳・成川彩)